双子姉妹
そろそろ飯かと思い俺は大広間へと向かった。
大広間へと入ると走る音が聞こえてきた。
「兄さまあああああぁぁぁぁ」
トットットット
バフッ
二人の幼女が俺へ抱き付いてきた。
「どうしたムルア、レムア。」
「兄様!今日こそは私達と遊んでほしいのです!」
「に・・・い・・・さ・・・ま・・・・遊ぼ?」
4年前に産まれた双子はだいぶ大きくなった。
髪は短く元気一杯なムルア、髪は長くあまり自己主張が上手くなさそうなレムア。
一卵性だったのか顔はそっくりだが髪がムルアは金髪、レムアは銀髪で性格も全然違うので判別がしやすい。
二人ともお袋の血が強いのかとても可愛らしい。
「そうだな、今日は魔法も剣もお休みだから一緒に遊ぼうか。」
「やったー!レム良かったね!」
「う・・・ん・・・ムル良かったね・・・」
「なんだ、なんだパパも混ぜてくれないか?」
ルドルフも大広間へと入ってきて娘たちに近付こうとするが。
「パパやだ!!!兄様がいいの!」
「・・・・・・パパ・・・・・臭いから嫌だ。兄様いい臭い・・・だいすき。」
「グハァ!!!」
ルドルフは膝が折れ、地面手を付き項垂れた。
「あら、ルドルフなにやってるの?お馬さんの真似かしら?」
リリスが入ってきてルドルフの様子を見て笑っている。
「お袋・・・親父のことそっとしてやってあげてよ・・・」
「えぇ、よくわからないけどわかったわ。」
親父・・・骨位は拾ってやるからな・・・・
「兄様!早く遊びましょう!」
食事が終わり、ムルアとレムアが急かすように俺の手を引っ張ってくる。
「ハッ・・・私は何故こんな・・・何かとっても嫌な事が・・・」
「ルドルフ、やっと動いたんですかもうみんな御飯を食べてしまいましたよ。」
「そ、そうか。おぉ、クラマよ話があるのだ。後で政務室へ来るように。」
「わかったよ。ごめんなムルア、レムアちょっと用事が出来ちゃったよ。終わってからでも良いかな?」
「えー!やだよー!」
「・・・・・・・・嫌。」
「ムルア、レムア。パパに呼ばれちゃってもお兄ちゃんはちゃんと後で行きますから待っててあげなさい。」
「むー!わかったー、ママの言うこと聞かないと。でも!兄様のこと連れてっちゃうパパ嫌い!レムいこ!」
「あにさま・・・・・・・パパ嫌い・・・・・」
「グフゥ!!!」
ルドルフは再び項垂れた。
「ルドルフ・・・そういうことだったのね。しょうがないわ・・・」
娘の反抗期には勝てない一国の王だった。
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