抱擁
幼年期編エピローグです。
「プッ、ハハハ!ヒィー、お腹痛いわ!クラマ私のことどれだけ笑わしてくれるのよ。流石私の弟だわ!」
アリスは転げ回りながら笑っている。
(くっそー!こんな馬鹿姉にここまで馬鹿にされるなんて。でも何にも言い返せねぇ・・・)
「アリス!笑い事では無いのよ!」
「ご、ごめんなさいママ・・・」
「下手をすれば戦争にでもなっていたかも知れないんですからね!ある意味相手がガッシュで良かったわ。」
「お袋本当にごめんなさい・・・」
「本当よ。クラマには反省してもらわないといけないわ。」
戦争まであったかも知れないと言われクラマも流石にリリスの顔が見ていられなくなった。
ギュッ
「えっ」
「でもね本当に反省しないといけないのは私達の方よ。」
リリスは俺を抱き締めてくれた。
「クラマの事を考えているつもりで何も考えていなかったみたいね。」
「そんなこと・・・」
「クラマはいつも大人びていて私達は安心していた。何で悩んでいるのかも分からない程に・・・でもね次からは相談して欲しいわ!誰でもいいクラマだったらみんなが貴方をきっと助けてくれるわ。」
「ありがとう・・・お袋・・・」
俺はきっとどこかよそよそしさがあったかも知れない。
それがきっと大人びて見えていたんだろう。
前世ではこんなに周りは暖かくなかった。
(この世界がもっと好きになれたよ。)
俺はお袋の胸の中で見えないように泣いた。
「マキナさんありがとうございました!」
「クラマ様ありがとう御座いました。」
マキナは深々とお辞儀をして俺達を見送ってくれた。
「あーあ、もうちょっと居たかったわ!温泉すっごい気持ちよかったわ!」
「アリスよ、また来ようではないか次はリリスのお腹の子が産まれたらな。」
「本当!?パパ絶対よ!絶対!!!」
「あぁ、勿論だとも!」
「ルドルフ?約束するのは良いけどそのぶん政務をしっかりやって頂きますからね?」
「う、うむ・・・」
「アリス、クラマだけではなくお腹の子の分もより頑張って貰わないといけませんからね!」
「勿論頑張るぞ!!!」
「どうしたのクラマ?外なんかじっと見てたけど。」
「いや、何でもないよ姉ちゃん。」
「なら、トランプ出しなさい!みんなでやりましょう!」
「あぁ、そうだな!」
(まだ、6歳だ。悩み過ぎてもしょうがないから今はまだこの世界楽しもう!)
お読み頂きありがとうございます!
次は番外として出産を入れようかと思ってます。
用事があり次の更新は来週の金曜になります申し訳ありません。




