馬車
温泉羨ましいですね
私?
仕事です・・・
メノウ山
アルベニア王国とバールーン王国の国境のようにそびえる山である。
メノウ山は温泉地帯としても有名でその麓には温泉街があり、そこでは人間だろうが魔物だろうが受け入れる。
「さぁ、そろそろ着きますよ!」
ガイルの声が馬車の外から聞こえてくる。
「クラマ、アリスを起こしてあげて頂戴。」
「分かったよ。姉ちゃん!姉ちゃん!起きろよ!もうそろそろ着くって!」
「んんー・・・何よクラマ。もう着いたの?」
「もうそろそろ着くんだって!」
「着いてから起こしなさいよー。」
アリスはあくびをしながらもう一度寝ようとするが
「アリス、寝るのは構いませんがあなたはお忍びといっても一応王女なんですよ?身だしなみはちゃんとしなければなりませんよ?」
「は、はい!ママ!マリア髪をとかしてもらってもいいかしら?」
「勿論ですよアリス様。」
「ママ!私もやってほしい!」
「えぇ。フレデリカは後でやってあげるからちょっと待ってて頂戴?」
「フレデリカは私がやってあげるわ!こっちにいらっしゃい。」
「本当、アーちゃん!?」
「申し訳ありませんアリス様。」
「良いのよ、フレデリカは血が繋がって無くても私の妹のようなものだもの。フレデリカは甘えてくれるから良いけど、弟は甘えてなんてくれないからね!」
そう言うと俺のことジトっとした目で見てくる。
「姉ちゃんを頼りにすると大概問題が解決しないだろうし、更に大事になることが起きるから嫌なんだよ。」
「なんですってぇ!!!」
「クーくん!アーちゃんは優しいんだから!」
「フレデリカ!!!」
「アーちゃん!!!」
アリスとフレデリカは抱き合っているが俺は新しい妹がこうなったら肩身が狭いなと思ってたら、視線を感じそちらを向くと
「・・・・・・・・・やりますか?」
カレンは手に櫛を持ちキラキラした目でこちらを見ていた。
「また今度でお願いしようか・・・な・・・。」
「そうですか・・・」
俺はひきつった顔でカレンの残念そうな顔を見ていた。
今回の温泉旅行にはお忍びと言うことで俺の家族後は護衛兼メイドでマリアの家族とカレンを連れてきた。
一応貴族の旅行と言う体を装い少数で来ることにしたのだ。
一応王が何日も私用で国外に出るのは不味いので影武者を国に置いてきたらしい、魔物の国と言ってもここ何年かは平和なもので問題などほとんど起きていないが、問題が起きた場合は魔法によって連絡がくるらしい。
「温泉街に着いたぞぉ!」
ガイルの声がまた聞こえ俺は久しぶりの温泉に心を踊らせ馬車を降りた。
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