親子
温泉行きたい願望がつい・・・
「クラマ、アリスよ話がある。後で私の政務室まで来てくれ。」
「分かったよ(わ)。」
ルドルフがこんなことを言い出すのは初めてだった。
食事の時などは喋る事はあるがそれ以外の時間は、忙しく動き回り政務をこなしている。
俺は精神年齢がいきすぎているから寂しいとは思わず、むしろここまで真面目にやっているルドルフに尊敬さえする。
だが、アリスは寂しかったんじゃないかと思う、よく俺の部屋に来ていたしな。
そんな多忙なルドルフが一体何の話し何だろうか・・・
コンコン
「入れ」
政務室からルドルフの声が聞こえ俺は部屋へと入る。
「クラマ、遅かったじゃない。」
「え?俺遅かったかな姉ちゃん?」
一応親父でも相手は国王だ。
しっかりと正装をしてきたんだがな・・・・・
「って!姉ちゃん部屋着じゃんか!!!一応親父でも相手は国王なんだから一応服位ちゃんとしようよ。」
「良いのよ!パパは優しいから許してくれるわ!」
「アリスよ・・・怒りはしないがクラマのが正しいぞ?」
「えっ?そうなのパパ?」
「はぁ・・・アリスは昔のリリスにそっくりだな。リリスもアリスが生まれる前は結構ズボラな所があってな・・・おっと、後が怖いからなこの辺でこの話しはおしまいだ。お前達を呼んだのは今度旅行したいと思うんだ!」
「旅行!?やったぁ!どこ、どこにいくのパパ!?」
「アリスは行ったことがあるが、メノウ山の麓にある温泉に行こうと思ってるんだ。」
「クラマが生まれる前に行ったところね!まさかっ!」
「あぁ!お前達に兄弟が増えるんだぞ!」
「へー」
「何よ!まさかクラマは嬉しくないの!?」
「いや、前は一人っ子だったからあんまり想像できなくって。」
「前はって何よ!クラマにはずっと私っていうお姉ちゃんがいるじゃない!居ないことにするなんてひどいわ!」
「クラマ、流石にいつもアリスにひどい目に合わされているからといってもアリスがかわいそうだぞ?」
「い、いや、夢でね!あー俺なに言ってるんだろうね。」
「そうか、マリアからクラマは急に不思議な事を言う癖があると聞いていたが何か体の調子が悪かったら言うのだぞ?」
「ごめんなさい!大丈夫だから気にしないで!」
ルドルフは心配するように聞いてくるのでいたたまれなくなったが前世では一人っ子だったクラマには兄弟ができるというのがどんな感情が出てくるものなのか分からなかった。
生まれた時にはアリスが居てお姉ちゃん然としていたので簡単に受け入れられた。
他人事のような返事をしてしまったが楽しみだ!
可愛い妹を所望したいところだ、ツン枠はパンパンに埋まっているからな!
「それではお前達、まだリリスには内緒にしておくんだぞ?驚かせたいだろう?」
「「はーい!」」
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