血技
そろそろチート入れないと不味い・・・
「姉ちゃん!放してくれよ!」
「嫌よ!クラマに私の技見せてあげるんだから!」
ズルズルズルズル
「わかった!わかったから!放してくれって!」
「じゃあ、ちゃんと見てくれるわよね!」
「しょうがないからな・・・」
ズルズルズルズルズルズルズルズル
「見たい!見たいです!見させて下さい!」
「最初からそう言えば良いのよ。」
アリスは最高のドヤ顔を見せ、俺達は修練場へ向かった。
「そう言えばクラマと修練するのは初めてね。」
アリスはそう言いながら準備運動をしている。
「そうだね。て言うか姉ちゃんにはお袋が運動じゃなくて魔法の勉強をちゃんとしなさいって言ってたからね。」
「ママは剣なんて野蛮だからやらないでって言ってたからね。でも私には魔法よりも剣が合ってるのよね!」
「あー、俺も姉ちゃんのお転婆っぷり見てたら武術が丁度合ってると思ってたよ。」
「なによそれ!私がじゃじゃ馬みたいな言い方して!」
「その通り・・・い、いや!そんなことないよ!すっごい可愛いくておしとやかで自慢の御姉様だよ!」
「ええ、ええ、そうでしょ!ってその通りって、じゃじゃ馬だと思ってるじゃないの!クラマ!剣を取りなさい!お姉ちゃんが直々に指導してあげるわ!」
「いいよ!俺はガイルにみてもらってるから!」
「良いから取りなさい!」
アリスは剣を振り上げ俺に向かってきた。
ビュン!
「あぶねっ!それ模造刀じゃなくて本物じゃんか!」
「そうよ!こっちのが緊張感が沸くでしょ?ハッ!ハッ!」
ビュン!ビュン!
「沸くでしょ?じゃないよ!当たったら死ぬよ!」
「じゃあ、当たらなければ良いじゃない。まだまだこんなもんじゃ無いわよ!」
ビュン!
「すばしっこいわね!クラマもなかなかやるじゃないの!」
実際アリスが自分で誉められちゃったいう通りアリスは剣の使い方はなかなか上手い。
11歳でここまで出来れば充分天才の領域だと思う。
しかし、王国最強の戦士に教わり、更にはチートがあるクラマには遅く見えた。
クラマは疲れたら止めるだろうと思いアリスの剣を避け続けた。
避け続け5分ほど経ち、アリスの息が上がってきた時それは起きた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・やるじゃない・・・でもね!これならどう!?アースマッド!」
「姉ちゃん魔法まともに使えるのかよ!」
アリスは足元を泥沼にする呪文を唱えた。
それはクラマにとって予期せぬ事であった。
ガイルは魔法を使わず純粋に剣技しか使わなかったので、魔法を含めた搦め手にはクラマは修練しておらず対応出来なかった。
結果対応出来なかったクラマは体勢を崩した。
「とどめよ!」
チャンスとばかりにアリスは振りかぶったが
ズボッ!
アリスも剣技に魔法を絡めた事などなくこれが初めての試みだった。
不慣れのせいか自分の泥沼にはまり振り上げた剣の勢いのままクラマに飛び込んでしまった。
「避けてええええええええええええええええええええええええ!!!」
「くっそ!!!」
ブチッ!
クラマは自分の腕に噛みつき噛みきった。
「血技!!!」
キィンンン!!!
「危なかったぁ・・・」
「ごめんなさい!クラマ!」
魔法を解いたアリスは駆け寄って謝ってきた。
「姉ちゃん、勘弁してくれよー。」
「本当にごめんなさい!でもクラマその魔法なに?そんな魔法見たこと無いわよ。」
クラマが使った血技はクラマが開発した魔法で誰もが使える魔法ではなく、夢魔族と吸血族のハーフであり魔法に長けるクラマだからこそ使える魔法だある。
血には魔力が流れている、それを自由に扱え盾や剣に形を形成することができるものだ。
「へー、じゃあ私も使えるのかしらねその血技って。」
「姉ちゃんは大雑把だから無理じゃないかな・・・この魔法繊細だし。」
「そう・・・なんかかっこいいから使ってみたかったわ!」
「あなた達何してるの!!!」
怒鳴り声が修練場に響いた。
「マ、マ、ママ!」
「あなた達が模造刀じゃない剣で追いかけっこしてるって兵士が飛んできたわよ?」
リリスのこめかみがピクピクし若干辺りが寒くなってきた。
「こ、これは修練よママ!ね、クラマ!」
「ママ!アリスお姉ちゃんが剣を持って追いかけてきて怖かったよー!」
リリスに抱きつき必死に自分だけ助かろうとする。
「クラマ!私を売ったわね!」
「怖かったわねクラマ。アリスお話しがあるからちょっと来なさい。」
「い、嫌よ!ママ!ごめんなさい!ごめんなさあああああああああいぃぃぃぃぃ!!!」
たっぷりとリリスとOHANASIをしたアリスは夕食時には、目を真っ赤にしていたのは言うまでないだろう。
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