ママ無双
爆音で地面が震えていた。
「私の息子はいるんでしょうね!?」
ママンの声がここまで響く、かなりのお怒りのようだ・・・
吹き飛ばした男は腹を抑えながら立ち上がり。
「お、おい!息子ってお前のことだよな!?」
「た、たぶん・・・」
「ふざけんじゃねーぞ!こんな手荒なカチコミ初めてだ!ちょっと俺も行くからお前ら人質としてこい!」
「嫌だって!」
俺は捕まりそうになりながらも抵抗をする。
「クラマくんを捕まえないで!」
カレンが後ろから先程の俺と同じように体当たりをぶつける。
「クソガキどもぉおおおお!!!」
男が吠えた瞬間、一つの声が聞こえ一気にその場の空気が冷えていく。
「ワレ、うちの息子に何しとんじゃ!?はよ返さんかい!!!」
「あ、あ、あ、あ、ああ、あのですね!これは、なんというか」
男は恐怖からか歯が震え、吃りまくっている。
「はうー」
ドサッ!
カレンは恐怖からか気絶し倒れた。
(怖すぎるよ・・・どこぞの組の方にしか見えないドスの効いた喋り方だし、二度と怒らしたらいけない・・・)
クラマは気絶さえしなかったものの、体の震えが止まらずリリスを怒らしてはいけないと深く胸に刻んでいた。
「どう落とし前つけるんじゃ!あぁん!?いっぺん死んどくか!?」
「お返しします!お返しします!ですのでどうか!どうか!命だけは勘弁していただけませんか!?」
それを聞いたリリスは微笑み
「そう、じゃあ連れていくわね。クラマおうちに帰りましょう?」
「はい!!!」
「あら、その女の子も捕まっていたのね。取り敢えず城で預りましょう。」
そう言うとリリスはカレンを抱き抱えた。
ドッドッドッ
「クラマああああああああああああああああああああああああリリスううううううううう大丈夫かあああああああああああああ!!!」
ルドルフがすっ飛んで走ってきた、その後ろにはガイルや兵士達もいた。
「えぇ、大丈夫ですよルドルフ。」
「親父!お袋ごめんなさい!!!」
「良いんだ!お前が無事であってくれたことで充分だ!」
「良くは無いけども、無事で良かったわ。危うく湖が凍りそうだったわ。」
「リリスが先陣切って行ってしまい、我々は肝を冷やしたわ。ワッハッハ!!!」
そんなこんなで俺とカレンは無事に救出されたのだった。
ちなみに犯人達は粘着族いわゆるスライム達だった。
スライムは人の形に変化していた。
人の形と言っても上手くは化けれないらしくフードを被り続けていたそうだ。
化けたスライムは、魔族の子ども達を拉致し隣の国へと売っていたらしいのだが、売っていた販売先のルートなどはこのあと尋問をして口を割らせるそうだ。
ちなみに俺が捕まっていた場所を出るときに色々精巧な氷のオブジェがあったが見ないフリして家路に着いた。
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