決死の想い
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「おい、ガキ!飯だ食っとけ!」
出されたのは冷たくなった具材が少ないスープとカチカチで石のようなパンだった。
捕まって五日が経った。
二日前に使役魔法で放ったネズミはどうなったのか心配でならない。
下手したら猫とか鳥とかに喰われてしまっているんではないかと寝れはしない二日間を過ごしたがいまのところ音沙汰はない。
そろそろ別のネズミを使役しようかと考えていたその時だった。
カツカツカツカツ
「グヘヘ!お嬢ちゃん!お前の身売り先が決まったぞ。よかったな!」
いつも食事を持ってきてくれる人とは違う声色の男が気持ち悪い笑い方で最悪の知らせを持ってきた。
その知らせを受けたカレンはうずくまり嗚咽をこみ上げていた。
そんなカレンに対して男は「泣いてねぇで体綺麗にしとけよ!相手は御貴族様だから、あんまり汚いようじゃ売れねぇからな!」と言って、去って行ったが今のカレンにはそんな言葉など耳に入るはずはなかった。
俺はカレンの嗚咽する声が響く牢屋で、助けが来るのを待ち続ける事しか出来ない自分に苛立ち続けた。
数時間後
ジャラッジャラッ!
「行くぞ!おい、抵抗すんな!」
カレンは外に連れ出される為か首に鎖をかけられ引っ張り出されそうになるが必死に抵抗する。
「嫌だ!嫌だ!行きたくない!」
必死に地面に爪を立て動かされないように抵抗する。
「ク、クラマくん助けて!!!」
俺は思いきり歯を食い縛る。
(行っても殺されるかも知れない・・・俺に何が出来る・・・)
「クラマくん!!!」
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
俺はここで死んでも構わない!
自分の命でもしも!
もしも!
人が救えるならば!
二回目の人生も良かったって思える!
俺はそんな想いで男へタックル仕掛けた。
ドゴォオオオオオオオオン!!!
「グヒャ!!!」
凄まじい爆音に余所見をした男にちょうど鳩尾に入りそのまま倒れこんだ。
そして一つの怒声が聞こえてきた。
「うちの子を返しなさいっ!!!!!!!!!!!」
五日振りに聞くママンの声は聞いた事も無いお怒りの声だった。
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