城下観光
今回中途半端で切れてますが次的にはここで切っておきたかったんですすいません。
周りを見ると沢山の人達が往来している。
オークの親子が手を繋ぎ笑顔で歩き、ゴブリンの多分おっちゃんが屋台で食べ物を売り、3mくらいの一つ目の巨人がのそりのそりと歩き地面が少し揺れる。
俺はそれを見て今まで芽生えなかった気持ちが出てくる。
(これが、自分が治める国か・・・沢山の人が笑っている。)
クラマは今まで城の中で見る人達に少なからず怯えというものがあった。
しかし、この風景を見るとそんなものなど消えていった。
いい臭いがクラマの鼻についた。
(すごい良い臭いがしてくる。)
昼食は食べたが時刻はおそらくおやつ時、食べ盛りのクラマの足はフラフラと臭いのする方へ向かっていった。
いい臭いのする場所は一際人が集まっており、そこには一つの屋台に多くの人が並んでいた。
「いらっしゃーい!!!アルベニア名物のバブルバッファローの串焼きだよー!」
バブルバッファローはアルベニアの近くにある湖に生息する魔物の一種で水牛の魔物だ。
バブルバッファローは和牛のようにやらかく俺も大好きで、城での食事でもよく出されるものだ。
この牛は非常に攻撃的らしく仕留めるのはなかなか難しいらしい。
ちなみに魔物と魔族の違いだが、知性があるかないからしく、同じ見た目のゴブリンだが喋れるか喋れないかで判断するらしい。
魔族は殆どが喋れるらしく、喋れない魔族も魔法でテレパシー送ったりと何かしらの意思疏通を行うことできる。後は魔物は魔法を使えるのが少ないが魔族は魔法を行使することができるものが多い。
やはり魔法は魔族の十八番らしい。
「おい」
「おい!」
「おい!坊主!」
「あ、はい。」
「はい、じゃないよ!坊主、串焼き食べたいから並んでたんじゃないのかい?冷やかしなら帰っておくれ!」
恰幅のいいオークのおばちゃんは手でシッシッとやってきた。
「ごめんなさい!2本貰えますか?」
「二本でいいのかい?ちょうど今焼いたやつ無くなって新しいの焼くからちょっと横で待っておくれ!次の方!」
しばらくすると、先程匂ってきた臭いがまた漂ってきた。
「あいよ、坊主!」
「ありがと!」
クラマは礼を言い、店の離れた所にあるベンチへと腰をおろし串へとかぶりついた。
「うまい!!!」
柔らかな牛肉にタレを付けて焼いたのか香ばしさもありながら全くくどくない。
さらっと一本を食べきり、もう一本に口をつけた瞬間。
「だーれだ!」
俺の視界は真っ暗になったが、聞いた事がある声がした。
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