作戦開始!
「例の計画はもちろん出来てるんでしょうね?」
「一応ね。でも本当に行くの?」
「当然よ!お城に居たら暇すぎて死んでしまうわ!」
「俺はそんなことないけどな。魔法の勉強も楽しいし、剣の修練も痛いけど強くなっていくのもわかるしさ。」
「それはクラマが良い子すぎるのよ!魔法の勉強なんかじっとしてるだけで全く面白くないわ。私も剣の修練混ざろうかしら・・・」
「姉ちゃんにはちょうど良いんじゃないかな。」
バコンッ!
「いたっ!」
「うるさいわよ!そんな事よりもどうやって城下へ行くの?」
「あぁ~痛かった。どうしようかなー痛かったし教えるの止めようかなー」
「ちょ、ちょっと!悪かったわよ!だから教えてよ!」
アリスは俺の胸ぐらを掴み俺の頭をグラングランと揺さぶる。
「わかったから止めろって!」
「早く言えば良いのよ!」
「納得いかないなーまぁ良いや。じゃあ、作戦はゴニョゴニョ・・・」
「フムフム・・・そういう方法があるのね。」
大広間にて家族で昼食
「クラマよ!最近の修練はどうだ?」
「まぁまぁかな。最近ガイルが手加減無くなってきてつらいよ・・・」
「ハッハッハッ!ガイルのやつよくやるものだ!」
ルドルフ俺の話を聞いて嬉しいのか大笑いしている。
「ルドルフ!?クラマは最近生傷が絶えないんですから、あなたの方からガイルに言って下さい!」
「リリスよ、私も幼いうちはよくケガをしたものだ。クラマも別に嫌ではないのだろう?」
「うん。確かに痛いのは嫌だけど自分の為だからね。」
「「さすが私達の子だ(ね)!!!」」
二人はいつの間に寄り添い抱き合っている。
それを見たアリスと俺は白い目で見ていた。
バカップルに何を言ってもどうしようもないのは分かっている。
「そんな事よりもアリス?最近また勉強の時間に抜け出してるみたいだけど何故かしら?」
アリスはまさか自分に火の粉が来ると思わず急にオロオロし始めた。
「マ、ママ!違うのよ!そう!お手洗いに行ってたの!!!」
「三時間も?」
アリスは追い詰められキョロキョロと目が動く。
そして俺に助けを求めるようにジッと見つめる。
(助けてよ!!!)
(自業自得だよ。)
アリスはプクーと膨れっ面になってテーブルの下から俺の脛を思いきり蹴ってきた。
ゴンッ!
「つ~~~~~~~~~~~~~」
俺は痛みで声にならないような声をあげる。
アリスはそれを見てすかさず
「クラマ!?大丈夫!?ママ!クラマがなんか痛そうにしているわ!」
「あら、クラマ大丈夫!?」
(何が、なんか痛そうにしているわ!だよふざけんなよ!)
アリスの顔を見るとざまーみろと舌を出していた。
(くっそー!!!)
そして俺は反撃の一手に出る。
「お袋!俺は大丈夫だから!姉ちゃんがまだ話は終わってないって!」
「そうね。アリス、話の続きをしましょうか?」
アリスの顔はみるみる絶望的な顔になっていき。
「私はまだ政務があるからな・・・」とルドルフが1抜けし。
「俺もお腹一杯だし勉強してくるね!」と俺は2抜けに成功した。
残った二人はお袋圧倒的優位なO・HA・NA・SIをするんだろう姉ちゃんすまんな。
「まったく!酷い目にあったわ!」
アリスはお袋との話し合いを終えて目を真っ赤にしながらも、また俺の部屋へ来ていた。
「姉ちゃんも懲りないよね?」
「やっぱり城下へ行ってみたいじゃない?10才まで待つなんて私には無理だわ!」
お袋が心配性のせいか10才までは城下には行くのを禁止していた。
少し過保護すぎるかもしれないが、前世とは違い人拐いは結構頻繁に起きているらしい。
最近また人拐いが多くなったってマリアが話していた。
フレデリカのことを心配でしょうがないんだろう。
フレデリカは一人娘で、ちょっと天然入っているからな。
拐われたりでもしたらガイルが地獄の果てまで追いかけて行きそうだ・・・
「姉ちゃんそろそろ時間だよ。」
「そうね!行くわよ!」
「いや、俺は行かないからね。」
「何言ってんのよ!クラマも行くに決まってるじゃない!」
「だから、嫌だって!」
「うるさいわね!いいから行くわよ!」
アリスは俺を抱えて走り出した!
(くっそー!俺は毎日鍛えてる筈なのに全く振りほどけない!)
「ジタバタしないの!」
俺の人生初の人拐いの犯人はアルベニア・アリスによって拉致られて行った・・・・・
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