表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

終わり

 僕はガルムを描いた。

 少女を助けて無実で牢獄に繋がれて、なんども脱獄しようとして、数年後とうとう脱獄した。離れ離れになった妻と子どもの元へ行き、最後は共に過ごした友人に殺されて死ぬ、そんな物語を絵で描いた。

 事実は嘘になり、物語は真実となった。

「全部、思ったとおりになったのか」

 ハルが屋上で絵を描いている僕に抱きついてきた。

「あの世でガルムも喜んでいるかも」

「どうかわからないな。ただ、悪い気分にはなっていないだろうな」

「嘘をついて気分は良い?」

「過去なんていくらでも改変可能だ。歴史は変わらないなんて空想だ。いつか誰かが真実を明らかにするかも知れないが、それまで物語の中で英雄にしてやろう。それで良いじゃないか」

 ハルは僕の横に座り、足を伸ばした。

「アランが落ち込んでいたぞ。何か言ったのか?」

「知るか。僕はハルが樹が済むようにしろと言っただけだ。それ以外何も言っていない」

 青空から太陽が降り注いだ。

「たまには女の絵じゃなくて、男の生き様もカッコイイな」

「私たちが友達になったきっかけをおぼえているか?」


 私はダレンに最初に出会ったのは屋上だった。

 太陽の日の下、ダレンは教会から依頼された天国を描いていた。

「素晴らしい絵だな」

 本当に美しい絵だった。

「それは最高の誉め言葉だ。本当はね。これは地獄を表しているんだ」

 私はそうには見えなかった。

「一切の悪を消した、善のみの絵。逆説的に世界が求める天国の虚飾を現している」

「そんなの作者が言わないとわからないよ」エリンが絵の具を持ってきながら言った。

 その絵は天国の虚飾を表そうとして、本当に美しい絵だった。


「あれから、私はダレンの絵に夢中なんだよ。だから友達になりたいと思った」

「なら」僕はハルに絵を渡した。

「これ、私の裸の絵じゃないか。本当に描いたのか……やっぱり胸がないと可愛くないな」

「そんなことないさ。可愛くないが、美しいぞ」

「嬉しい事をいってくれるな。ありがとうこれは一生の宝物にするよ」

 僕はガルムの物語のこれからを思いながら眠った。

ガルム書いたからもういいかな。

気が向いたら続きを書くと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ