NO.7 納品
NO.7 納品
船が崖の中のドックに進入し、コンセラーをオフラインにすると後ろの隠蔽ハッチは閉じられ一瞬暗くなるがすぐにライトが点灯し、内部のアームが船を固定する。その後船の搬出用開閉扉が開き内部の食料品がベルトコンベヤーにより搬出される。その他メンテナンスの間上陸許可がでたので地下ドックを散策する事にした。
従業員向けの憩いの場であった交易基地と違い、ここは複合コンクリート製の壁やどこか錆び付いた物と新品のように綺麗な物が入り混じった機材群にそれを操る少しばかりの作業員の姿があるだけで味気なく感じる。恐らく上の階(つまり商館の事だが)は此処と比べれば豪華な造りをしているのだろうが、残念ながら業務中であり販売員以外の立ち入りは業務の邪魔となるので禁止されているそうだ。とても興味の出る話しだが私は初めての外勤で謹慎などの懲罰を受けたくはないので上の階に行く気にはなれない。そんなわけで地下ドック内を散策していると作業員向けの食堂を見つけた。
丁度昼食時なので中を覗くと機関士の二人組と気象士、副航海士の四人がゆっくりと食事をしている。私は船内食よりも豪華な食事を受け取り四人に同席していいのか尋ねると気象士は何も言わず隣の椅子を引き出し、それを見た機関士が、ほら、座れよ。と言ってくれたので私が椅子に座ると副航海士が、相変わらず喋らない奴だ。と気象士をからかった。私達はそのまま食事をしながら今回の航海のことを呑気に話しながら時を過ごした。
今夜鉱物を満載した船は交易基地に向けて出航する。