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森じゃなくてコンビニに行きたかったな

息抜きで書いてみました


「……ここはどこだ?」


 突然こんな疑問を持った俺は別に認知症とか記憶障害持ちって訳じゃない。

 さっきまでコンビニに向かうため歩いてたんだが……気が付いたら見たこともない森の中だったんだ。

 辺りを見回しても木、木、木。流石森だ。

いや、なに意味のわからないこといってんだ俺は。

 それよりも困ったな。

コンビニに行くだけの予定だったから服装は上下ジャージで持ち物は財布だけ。

 運よくサバイバル用品を持ってたりなど、そんな都合のいい話はない。


 少し遅れたが自己紹介をしよう。俺の名前は霧ヶ峰隼人。今をときめく17歳の高校2年生男子だ。

 容姿は平凡で彼女など今までで出来たことなどない。まあコミュ症なので仕方ないだろう。

 性格もこれまた平凡だ。

 たまに友達から冷めてる、とか、諦めが早いとか言われたりするがそんなことはない。と思う。


 さて、現実逃避はここら辺にしてこれからどうするか決めないと夜まで続けてしまいそうだ。

 今太陽が真上にあるからちょうど昼くらいだろう。あってるよな?

 つまり、夜まであと……少しだ。

 そう考えると少し焦ってきた。どうしよう。

 いや、落ち着け俺、大丈夫だ。取り敢えず西に歩いていけば問題ないだろう。なぜ西かって? 勘だよ。

 でも西がどっちにあるか分からないので真っ直ぐ歩くことにした。




 2時間だ。あれから2時間歩いても一向に森から出られない。どうなってんだ? やっぱり後ろを行けば良かったのか?

 まあいいか。しかし腹が減ったな。何か木の実とかないのか?

 そう思っていると本当にあった。食べてみるか?

でも毒とかあったら怖いしなぁ。

 でも飢え死にとかは絶対したくないし。取り敢えずいくつかポケットに入れておくか。

 と、一般人ならそう考えるところだが、俺は違う。実をいうと俺は木の実とかについて非常に詳しいんだ。

 昔自由研究で木の実について調べたことがあるからどの実に毒があるかとかは大体色で分かる。

 俺の持つ唯一の特技だ。

 もしかしたら俺がこの森に来た理由はこの特技を生かせという神様の計らいなんじゃないだろうか。

 そして俺の知識が言っている。この木の実は食べても問題はないと。


「では、森に感謝を。いただきま「きゃあああああああ」」


 !? 女性の叫び声だ! 事故にでもあったのか?

 2時間とはいえ人恋しくなっていた俺はその声がした方に行ってみることにした。





 どうしよう。

 本日何度目か分からない言葉を心のなかで呟いた。

 女性の叫び声が聞こえた場所まで行ってみると、そこには目を奪われるほど美しい女性



と、その周りを囲うように5人組の男達がイヤらしい笑みを浮かべて立っていた。


 やだ怖い。

 どうみてもアレだね。アニメとかでよく見るあの状況だね。

 完全にこのままだと女性がヤられちゃうやつだよ。

 助けたいな。だって助ければ確実に俺に惚れるやつじゃん。ベタぼれだよ。ヤンデレルート確定だよ。

 でも無理。男達に勝てる気がしない。まるでしない。ナイフとか持ってるし。いや。ナイフなくても勝てる気が全くしないけど。


 でも助けたい。だってあの女性今まで見た誰よりも美しいんだもん。めっちゃ美人。超可愛い。惚れた。

 こんなチャンス人生で一度あるかないかだよ。

 くそ、こんなことならもっと鍛えておけば良かったな。


 しかし、筋力がなくとも俺には頭脳がある。

 俺の学年順位は311位。確か学校には全学年で900人くらいいたはずだから約3分の1だ。

 そして俺はまだ本気を出してはいない。

 その俺が本気を出したらどうなるか見せてやろう。

 力が全てではないのだ。


 取り敢えず、現状確認をしよう。

 俺はまだ奴等に見つかってはいない。これは大きなアドバンテージだ。


 そして優先事項はあの女性を助けイチャイチャすること。

 だが助けるのはほぼ不可能。奇襲をかけてもまず勝てる気がしない。

 さて、どうする俺。


 その瞬間。俺はこれまでの人生でずば抜けて素晴らしいアイディアを閃いた気がした。

 これだ! これしかない!




「いっひひ、とっととヤっちまおうぜ」


「おうよ。こんな上物、久しぶりだ」


「さぁて、どんな声で泣いてくれるのか楽しみだぜ」


「よし、ねぇちゃん。怪我したくなかったら自分で脱いで「ちょっと待ったああああ」」


「「「!?」」」


 今俺の目の前には、驚きによって目を見開いて硬直している男達。そして驚きと希望を見いだしたような女性。だがすぐその顔は暗くなる。

 まあムキムキの男が助けに来たならまだしも、現実はんなヒョロい男なのだ。失望は当然だろう。

 しかし彼女は一つ勘違いをしている。


「て、てめぇ! 何もんだ!」


「ぶっ殺すぞ!」


「まあ待て。落ち着こうじゃないか」


「ああ!?」


「一つ頼みがある」


 男達が息をのむ。当たり前だろう。突然よく分からない男がやって来て、それもこんな落ち着いているのだ。

 そしてこれも作戦の内。こいつらの虚をつくためのな!

 俺は滑らかに、そして大胆に地面に向かって落ちていく。そして――



「僕をあなた方の仲間にしてください!!!」


 ――土下座した。


「「「……え?」」」


 唖然。それも当然だ。急に仲間にしてくれと言われてもそうなるだろう。

 しかし俺にはこれしか手が無かったのだ。ぶっちゃけ彼女とヤれればそれでいい。


「お願いです! 下っぱでも財布でもパシりでも何でもします! だから彼女とヤる権利を僕に!!!」


「えっ、ちょ、えっ?」


 困惑する彼女。でも大丈夫。優しくするから安心してね。


「……」


「どうですか? お金も、手持ちなら119円くらいならあります! でも家に帰ればもっとです。どうですか?」


「……」


 返事がない。屍のようだ。

 多分悩んでいるんだろう。もう少しアピールすれば行けるはずだ。


「分かりました。親の金も少しだけ盗んできます。どうです?」


「……」


 まだ、ダメか。なら最後のアピール。俺の特技を披露するしかないか。


「もう、欲張りですね。これが最後ですよ? 実は僕は――」


「なめてんのかてめえ!?」


「え、えぇ!? そんな……まだ言ってませんよ?」


「さっきから意味わかんねえことほざきやがって! 殺されてえのか!?」


「そ、そんな訳ないじゃないですか! ぼかぁ本気ですっ!」


「もういい、ぶっ殺せ!」


 まさか失敗したのか!? 嘘だ……。俺の計算では今頃彼女とよろしくやってるはずなのにっ。


「死ね! 小僧!」


 そんなことを考えていると男の一人がナイフを俺に向けて走ってくる。


 嘘、だろ? 俺、死ぬのか? そんなの嫌だ。嫌だ!


 目に写るもの全てがスローに見える。ナイフを持った男が徐々に俺に向かってくる。

 これが……走馬灯ってやつか。くそっ、こんなはずじゃ……。

 その時。


 何かが。


 俺の内から。


 沸き上がってくる。


 気付いたときには、すでに手を前に突きだして。


 まるで前から知っていたかのように。


「ファイヤボール!」


 唱えていた。


「なっ!?」


 瞬間、俺の手から5メートル以上の火の玉が出現し――


 ――目の前が真っ白になった。


 焼き尽くす。全てを。


「ぎ、ぎゃあああああああああああああ――――」








 目が見えるようになる。なんだったんだ、今の。

 さっきまで男と女性がいた場所には、灰しか残っていない。

 ていうか目の前にあったはずの木々が消滅してる。

 えっと。つまり。


「……おねーさーん、生きてますかー?」


 











色々と後悔してます

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