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真なるチートの活用法  作者: ぽむ
一章 マズワ王国編
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ファーストコンタクトは野盗でした

「ようよう兄ちゃん、身ぐるみ全てこちらに渡して貰おうか。そしたら命だけは助けてやるよ」


 うん、なかなか直接的な要求だ。


「まぁあげる事に付いてはやぶさかでもないんだが、今後の参考のために質問良いかな?」


「あっはっは、なかなか潔いじゃねぇか! 良いぜ持ち物の授業料代わりに答えてやんよ」


「それはどうも。んで質問なんだけど……

 こんな軽装で収納袋を持っている一人歩きを見たら凄腕のハンターって予想するんじゃないの?」


「はぁ!? お前が凄腕のハンター? 馬鹿も休み休みにしろ。

 収納袋を自力で持てるようなハンターはどう頑張っても30台後半までは掛かるもんだ。

 それに熟練のハンターとそうでないものはにじみ出る威圧感だって全然違う。

 お前のようなガキが自力で持てるようなもんじゃねえんだよ」


「なるほど」


 これはもしかすると、カリスマを0にしたのも影響してるのかな?その他の強さを大量に上げた所カリスマの初期値も自動で上がってとんでもない事になっていた。ある程度強くなった者の威圧感みたいな物もカリスマに含まれるのかも知れない。これは後で細かく解析する必要があるだろう。


「おおかた、お前の正体は貴族か大商人のお坊ちゃんって所だな。貴族特有の尊大さが無い所をみると大商人の息子って所だろうぜ」


「ふむふむ、でもそれなら自分を人質にとって身代金の要求とかした方がお金儲かるんじゃないの?」


「ばっか! そんな事したらあっという間に私設軍が派遣されて討伐されちまうだろ。収納袋を売る程度の稼ぎで十分なんだよ」


「でもそれを言うなら、僕を逃がせば討伐隊が来ると考えないのですか?」


「む、なるほど…… それもそうだな。やっぱ殺すか」


「ああ、その前にもう一つ。人を襲うなら仲間の中に一人ぐらいは『看破』の魔法を使える人間を入れておいた方が良いですよ」


「あ? そりゃどういう事だ?」


「ほら『看破』の魔法って相手のレベルが解るけど、圧倒的に相手のレベルが高いと何の情報も得られないじゃないですか」


「なに?」


「皆さんのレベルは、お頭さん…?で良いのかな? お頭さんの28を筆頭に大体10~20前後でしかないでしょう?理想としては最大レベルのお頭さんが『看破』を身につけ、相手の強さぐらいは把握してから襲った方が身のためだと思いますよ」


「な……」


「お、お頭! こいつのレベル全く見えません!」


「なんだと!? 看破はレベル20以内なら判別可能なはずだぞ!」


「看破を使った君のレベルが22だから、少なくとも僕のレベルは43以上って事になるね」


「馬鹿な!? こんなガキが俺よりもレベルが高い?」


「『人は見かけによらない』ってことわざ知ってる? 知らないか、君ら学無さそうだし」


「ぬぐ…」


「仮に僕のレベルが最低の43だとしても、僕に勝つにはお頭さんレベルの人間が5~6人は必要だと思うんだけど、それでもする?」


「きょ、今日の所は見逃してやる! 通りな」


「あはは、残念! 本当に残念な事ながら君らには賞金が掛かっているようです。と言う訳で討伐させていただきます」


「な! く、くそ! 全員でかかれ!」


 ステータス:麻痺付与


「あぐ…… て、てめぇ何しやがった!」


 野盗達はうめき声を上げるだけで次々に倒れていく。麻痺中は喋る事しかできません。おっと治癒魔法使われるとやっかいだし一応魔法使える奴には魔封じのバステも付けておくか。


「さて、ついでに君らのアジトにも案内してくれるかな? お頭さんは無理だけどちゃんと案内してくれた人だけは見逃してあげるよ」


「お、俺が案内する!」


「俺が!」


「てめぇ助かるのは俺だ! 俺が案内する!」


 助かる道を提案した途端に何人もの子分が名乗りを上げる。うーん悪党の集団ぽく信頼関係0だね。


「んじゃ、最初に名乗りを上げた君に案内して貰おう」


「へっへっへ、任せてくだせぇ!」


 ひとまずこいつら全員を縄で縛って眠らせた後、他の人間に横取りされないように茂みにうっちゃっておく。その後裏切り者の子分の案内でアジトに付いた俺は残っていた野盗達も同じく麻痺で動けなくした後しばりあげる。ついでにアジトにあった金品を回収する。と、ここで『ガンッ』と言う音が響く。


 裏切り者の子分が儲けを独り占めしようとしたのか、背後からナイフで俺に斬りかかったのだ。初手で素早く首を狙うとかなかなか手慣れてらっしゃる。まぁもちろん傷一つ付かないわけですが……。


「な……なんで……?」


「直接行動さえ起こさなければ殺す気はなかったんだが、とても残念だよ」


 あんまりチート過ぎるのがバレても何だし、死んで貰う事にしよう。どうせ野盗は基本死刑だ。生かして置いたのはその方が公開処刑で見せしめに出来るため賞金が高くなるからだ。


「うわぁぁあああ……あ?」


 悲鳴を上げた瞬間HPの値を0に設定。元の職業柄、腐乱死体やら猟奇死体も見慣れてはいるのだがグロでない事に越した事はない。単に殺すだけならHPを直接いじった方が簡単だ。


 斬りかかって来さえしなければ本当に見逃してやるつもりだったのに……

 最もステータスは子供以下の強さに調整するつもりだったけど。取りあえずは実際の敵対行動の精神サンプルが取れたから良しとするか。


 死体も含め野盗は魔法で浮かせて街道まで運ぶ。流石に30人近くの野盗を全員魔法で浮かせたまま街まで運んだりしたら目立ちすぎる。適当な大きさの馬車を検索しそれをコピーして「ちょっとお前らを運ぶ馬車を持ってくる」といって視界外で馬車を出す事で誤魔化す。


 野盗達は「くそ、こんなに用意がいいとは最初から捕縛する為の罠か!」なんて勘違いしていたが、都合が良いので勘違いさせたままにしておく。それと運がいい事にありがちな囚われの女の子みたいなのは居ませんでした。ヒロイン候補がなかなか登場しません。小説と現実は違うな。


 そのままポクポクと馬車を走らせる事半日、やっと『コ・アラーノ街』の南門にたどり着いた。


 衛士に野盗の殆どを生け捕りにした事、自分は旅の者で街に入りたい事を告げる。ほぼ全員を生け捕りにした事にかなり驚かれたが、賞金指定の盗賊団だと直ぐに確認が取れたため、賞金の引き渡し証をもらい、特に問題なく入場の手続きを終らせる事が出来た。「何でこんな弱そうな奴がこいつらを生け捕りに出来たんだ?」なんて疑いの目が向けられたが生きた証拠があるので特に追求される事はなかった。


 ちなみに、身分証明のない人間が入場にかかる値段は1万円。盗賊達の賞金は全員でたったの186万円だった。盗賊の命って、安すぎる。まぁそのかわり盗賊の持っていた金品は基本討伐した者の物になるのでオマケは付くわけだが、こいつら30人もいて総資産100万円行かないとかどんだけ貧乏なんだ、と言いたくなった。まぁ貧乏だから野盗するんだろうけど。ちなみに4次元収納袋は最も容量の小さいもの、具体的に1㎥の容量でも数百万する。商売での大量輸送に使えそうな物になると数億円になる。あいつらからすれば良いカモに見えたんだろうなぁ。ちなみに俺の収納袋もどきは無制限なのでプライスレスです。


 賞金の受け取りは役所かハンターズギルドで支払い可能と言う事でどうせハンター登録するのだし、ハンターズギルドへ向かう事にする。守衛隊長さんの知識があるので初めての街だが迷う事無く向かう事が出来た。

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