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真なるチートの活用法  作者: ぽむ
二章 魔王編
19/25

演技指導

 彼らからの援助を受けるようになってから二ヶ月が過ぎ、無事収穫期を終える事が出来た。


 予想通り収穫量は昨年並で、いつも通り殆ど全ての収穫を奪い取られた。だから皆とても悔しそうにしては居たが、実はこれ、おもいっきり演技である。そう演技なのだ。


 実は収穫期まで数日と言った所で、彼らからの手紙が届く。


 『最近の君たちはうかれすぎて、悲壮感が少なすぎる。このままじゃばれるぞ』


 とお叱りを受けたのだ。


 うん、そう言えば最近の村人みんな、食べる物も食べているし、生き生きしているように思う。家族との食事も、会話の中で笑いが出るなんて最近じゃ良くある事だ。だが、彼らの援助が始まる前は空腹と絶望が食卓を覆っていた。そして空腹のいらつきからよく夫は怒声を飛ばす。そうなると娘は直ぐに泣き出してしまう。そう其処には笑いなど全く無かったのだ。


 手紙には更に、これから予測される問題が幾つか書かれており、対処法として演技指導を行うと言う物だった。


 しかし、こんな風に文章で届いた指示を普通に読めるように成るなんて私達も成長したもんだ。


 帝国において、教育は貴族だけの特権であり、平民には認められていない。だが、今ならその重要性が解る。


 徴税官の持っていた徴税状にある徴税量は、我々が収めた量よりも明らかに少なかったのだ。即ち徴税官は何時もその差分を着服していたのだろう。だが我々平民は文字が読めない事になっている。だからそれを指摘するわけにも行かない。


 腸が煮えくりかえる思いだったが、ベストな演技は絶望だ。だから隣の家のタロウは「今年こそ冬はこせねぇかも知れねぇ」と悔し泣きし「せめて……せめて、小麦10㎏だけでも残してくだせぇ」と涙ながらに訴える。


 あまりの迫真の演技に笑いそうになってしまった私は口を押さえて泣いた振りをし、息子と娘に「冬ごもりの為に少しでも森から食べ物を探しましょう」とその場を離れる事にしたのだ。


 後で聞いた話だが、私達が去った後、その場に残った村人全員が土下座で泣きすがり必死の表情で懇願したらしい。その結果徴税官は「ま、まぁ死んでしまっては元も子もないからな。一部残してやろう。領主様には私が話を付けて置いてやる。感謝しろよ」といい、徴税量のごまかしでくすねた差分の三分の一を取り戻す事に成功した。


 うーん、ちょっと見たかった。でも男手総出で泣きすがる姿とか絶対笑っちゃうし。ほんとに残念。


 ちなみに夫は「ち、あの強突張りめ! 何が感謝しろだ! くすねた分の方が全然多いじゃないか! あいつ今までも相当くすねてたに違いない!」と憤慨していたのだが、あの場では弱々しく泣いていたのにと思うと、また笑ってしまった。


 そして今回の演技指導では他にも良い事があった。


 そう、我々が『彼ら』と呼ぶ方達に初めて直接会う事が出来たのだ。


 指定された場所は森をかなり奥に入った所で、本来ならば魔物がいる領域だ。しかし彼らの手紙には『道中の絶対の安全を保証する』と書かれており、相談した結果、まずは安全の確認もかね、我が家を含めた三家族が向かう事になった。


 子供は本当なら置いていきたかったのだが、何処の子も付いていくと言い張り、言う事を聞かったのだ。なにせ手紙には「子供を含め漏れなく全員来る事」と書かれていたために、当然それを読める子供達に押し切られてしまった。


 指示通りに森の奥に進むと幾つかの小動物は見かけたものの、魔物は全く見かける事はなかった。かなり奥に来ているというのに、森の入り口並に静かなのだ。どうなっているのだろう。


 そして手紙の通り、全く危険に会うことなく約束の場所にたどり着いたのである。


「ようこそ、森の広場へ、カンザ村の諸君!

 って言っても、初回は三家族だけか~。まぁ仕方がないよね」


 広場には美男美女の6人が我々を出迎えてくれた。


「自己紹介をするね。

 僕の名前はマルザ。カンザ村担当のリーダーだ。

 んで、こいつらが並んでいる順に、ビュー、キエート、キュール、モリコリ、ミノウだ」


「よろしく~、ビューだよ~」


「キエートだ。よろしくな」


「キュールです。今後ともよしなに」


「俺はモリコリだ。よろしく頼むぜ!」


「ミノウと申します。長い付き合いに成ると思いますがよろしくお願いします」


「よ、よろしくお願いします。

 俺はカンザ村のまとめ役をやらされているボーグという。

 こいつが妻のマリー。娘のミュウ、息子のカズだ」


 夫が私達を紹介したのを切っ掛けに、一緒に来たタロウやゴンも家族を紹介していく。


 しかし本当に美形揃いだ。娘は眼をキラキラさせているし、息子も「おお~、おお~、すげ~」としきりに声を上げている。


 グロウ教和国は誰もが飽食できるほど豊かだとは聞くが、良い物食べると美形になるんだろうか?


「さて、君たちは第一陣だしね。他の人達に伝えて欲しい事もあるから、まずはそれかな。


 今回ここまで来て貰うまでに安全に此処に来れたと思うけど、まずはその理由から。


 我々には魔物や動物をある程度操れる魔法がある。だからこの森にいる魔物達に君たちを襲わないようにする事も出来る。今、証拠を見せるよ」


 マルザさんがそう言うと、背後に無数の魔物が現れ始める。最初はかなり吃驚したが、魔物達は威嚇行動を全く取って居らす、マルザさんの後ろまで来ると、大人しく地に伏せる。


「よしよし、良く来たね」


 彼はそう言って群れの中でひときわ大きい大型魔獣の頭を撫でると、その魔獣はまるで飼い犬のように目を細めた。


「まぁこんな感じだ。ちなみにコイツはこの森のボスで、ハクコ種のガル。レベル換算で350程かな」


「さ、さ、さ…… さんびゃくごじゅう? エクステンドクラスって奴じゃないのか?」


「あー…、まぁ、その認識は一昔前の常識になるのかな……

 今のグロウ教和国水準の認識なら、この程度の魔物なら中堅レベル冒険者でもソロ討伐可能な筈だよ」


「…………」


 たしか、人間の冒険者で熟練者と言われるレベルで50ちょっとぐらいだった筈だ。

 少なくとも、帝国ではまだその筈だ。


 で、100レベルを超えるエクステンドクラスを狩るには、熟練冒険者100人が最低限必要なのだ。それを……350レベルを中堅でソロ?


「ま、ま、待ってくれ…… て事は何か? グロウ教和国にはレベル350以上の強さを持つ奴がゴロゴロ居るのか?」


「うん、沢山いるよ。今の軍の入隊資格だってレベル200以上だしね。今一番強い人間はレベル1500超えたんだっけ?」


「たしか今は1758です。将軍ガルフォードですね」


「おお! 彼はホントに頑張るよね。この調子だと2000にも届きそうだ」


「お、俺達はそんな相手と戦わされてたのか…… 勝てるわけがない……」


「大丈夫! 勝つ必要なんてないから。だって俺達は敵じゃない。仲間だ。

 それに、ちゃんと学んで修行すれば、2年もすればレベル100なんて簡単だし!頑張れば一年でも行ける!」


「は? そんな簡単にいくのか?」


「うん、目的を持った効率の良い教育はホント凄い訳さ。その程度楽勝、楽勝。


 それに、今回の帝国政府打倒を安全に行うために、殆どの人間にレベル100を超えて貰うつもりなんだ。

 帝国の強い奴はレベル80ぐらいが十数人で、要注意はそいつらだけ。一般の兵士は30前後に過ぎない。

 でも、村のみんなの殆どが100を超えていれば、もし戦えない村人が居ても確実に守れる筈だ。

 君らの村にも残念ながら脱落者になってしまった家族があるしね」


「なるほど……そういう事か…… あいつらも守ってやらないとな。

 そう言えば、息子達の様な子供達への戦闘訓練もあるのか?」


「希望者であれば、大人子供に関係なく教えるよ。

 流石に10歳やそこらの身体でレベル100越えは難しいと思うけど、それなりの強さには成れる。

 だけど赤ん坊や老人は流石に無理だから、君らはそういう人も含めて守れるようにならなきゃ行けない」


「解った」


「で、お知らせ二つ目~。

 必ず全員来る事って言った理由は演技指導もあるんだけど、健康診断と治療を行うためでもあるんだ。

 何をするにしてもまずは健康な身体である事が前提だしね」


「治療? 医者が居るのか?」


「医者ってわけじゃないけど、かなりの治癒魔法が使えるから大抵の怪我や病気を治せるよ。

 例えば、ボーグさんの左腕は今でもまともに動かせないよね? 指も一本無くなっちゃってるし。

 でも大丈夫。我々なら直せるから。一応左腕見せてくれない?」


「あ、あぁ……」


 マルザさんは夫の腕を様々な方向から眺めたり、指や肘を曲げさせて、夫に細かくどんな感じなのかを聞いている。

 途中じっと一点を見つめたかと思うと、瞳の色が金色にかがやき始める。


「め、め、め……目の色が変わったぞ!!」


「ああ、怖がらないで。これは神眼といって、レベル1000を超える頃から使える最上級解析術だ。君もレベル1000を超えれば使えるよ。

 傷の詳細を調べたりするにも色々都合が良いんだ」


「そ、そ、そうなんだ……」


「ふむ、良し。これならキレイに直せそうだ。

 んじゃ、治療しちゃうよ」


「あ、ああ……」


「『完全再生』」


 マルザさんが呪文を唱えると、夫の腕で肉が抉れた部分や失った指の部分に光が集まり、隙間を埋めるようにとどまると次の瞬間夫の腕は、キレイサッパリ昔のままに……いや、古傷もなくなってるから昔以上に完全な左腕になっていた。


「動く…… 動くぞマリー! これでお前らに迷惑かけずに済む!」


「もう…… 何言ってんの! 迷惑なんてかけられてません。殆ど片腕しか使えない状態でも、頑張って農作業してるじゃないですか。

 お父さんは頑張ってます!」


「うん、とうちゃんすげー!」

「お父さん、すごいー」


「うん、そっか、そっか…… ありがとなお前ら……」


「良かった、良かった。

 そんなに喜んで貰えると、僕も嬉しいよ。

 なるほどなー、治癒師ってのは何時もそう言う思いをしているのか。ふむふむ、なるほどね~

 うん、こういうのも悪くないね」


「マルザさんは、これだけの治療が出来て医者じゃないのか……」


「そだね、俺はどっちかというと戦闘系かな。

 ちなみに此処にいるメンバー全員がさっきの治療と同じ事出来るよ」


「………さっき神眼はレベル1000以降だって言ってたけど、みんなそんなにレベル高いのか?」


「うん。各村、街に派遣されているメンバーはまず1000を超えている。

 だからまぁ死んでさえ居なければ、大抵どうにかできるよ。

 さて、左腕以外にも悪い所がないか詳しく見させて貰うね。

 自分では気付かない病気や怪我なんてのは沢山あるからね」


「あ、ああ…… よろしく頼む」


「ふむ……最近はちゃんと食べてるから大分回復したけど、やはり長期間の貧乏生活がたたって、一部内臓が弱ってるね。

 栄養状態は……一応問題のない範囲だけど、果物もちゃんと食べないと。幾ら子供が可愛くても全部あげちゃダメ。

 人間の身体を作るにおいて果物には果物の役割があるんだ。食事においてバランスは大事だよ」


「そ、そうなのか……?」


「今回は、足りない分は魔法治療で補うけど、こういう事が何時でも出来る訳じゃない。だから自分自身も気をつけないと行けないんだ。

 と言っても、君たちは基礎的な栄養学もまだ教えてないし仕方がないのだけどね。

 でも、今後はしっかり覚えていって貰うよ?」


「………ああそうだな。知らないって事だけで被害を被るのはもうたくさんだ。

 手紙は読ませて貰った。俺達徴税官にピンハネされてるんだってな」


「うん、額はその時になって自分たちの目で確かめると良い。その為にも演技は必要だ。

 とはいえまずは治療だね。『体調調整』

 どう?大分身体が軽くなったと思うけど?」


「……… こりゃすげぇ! 身体がスゲー軽いよマルザさん!」


「それは良かった。本当の健康な状態って言うのはそう言う状態の事だ。

 でもこれらの治療はレベル1000を超えるような者にしか扱えない超位魔法だ。

 だから君らはこの魔法に頼ることなく、自分の健康を維持できるようにならなければ行けない」


「解った!」


「よし、じゃぁ仕上げだ。『偽装』」


「……え?」

「な……」

「とうちゃんの腕が戻っちゃった……」


 そう、彼が最後に唱えた魔法で先程治療された腕はすっかり元のボロボロの状態に戻ってしまったのだ。いやそれだけじゃない。少し前の、まだ身体が回復しきっていない半病人だった頃に戻されてしまったのだ。今だからこそ良く解る。あの時は随分体調が良くなったと喜んでいたが、私達は健康とはほど遠かったのだ。


「大丈夫、本当の身体は完治したままだよ。それは単なる見せかけの魔法。再生した指も見えないけどあるのは解るだろ?」


「………ほんとだ。みえねぇけどちゃんと指がある」


「このまま戻ると、流石に役人とかに気づかれちゃうからね。ある程度見かけだけは以前の状態を保ってないと疑われてしまう」


「たしかに、最近は目に見えてみんな元気だしな。不健康そうに振る舞うのも限界を感じていた所だ」


「でしょ? どんな名演技をしても見かけがかけ離れていると説得力が無くなってしまう。

 まぁ低レベルの偽装の魔法ならかなり早い段階で取れるから出来れば自分たちで出来るようになってくれると有り難い」


「レベルにすると?」


「役人に気付かれないとなると……、レベル20って所かな」


「なるほど、それなら何とかなりそうだ」


「よし、じゃぁ他の人の健康診断と治療を始めるよ。女性は女性の担当官の前に、男性は男性の担当官の前に並んでくれ。

 では、行動開始!」


 なるほど、女性の方も多くいたのは治療のために身体を触るから気を使ってくれた結果なんだ。色々考えられている。


 そして私はキュールさんに、娘はビューさんに並んだ。息子は筋肉質の如何にも戦士!と言ったモリコリさんの所に並ぶ。息子はモリコリさんに向かって「すげー!かっくいー!」って何度も言っていたから、彼が一番お気に入りなのかも知れない。


 全員の治療を終えると、マルザさんは今回の呼び出しの本来の目的について語り出す。


「まず今回の演技指導の最大の目的は不当に徴税される分を少しでも取り戻す事だ。

 しかし、これまでの君たちのように全てを奪われた事から恨み骨髄に役人を睨んだ所でなにも返ってこないだろう。

 それに、今君たちの生活はそれなりに安定してしまっている。収穫を全て取られてしまっても『まぁ何とかなるよな』って思っているだろ?

 しかし、それが顔や態度に表れれば怪しまれるだけだ」


「………たしかに、どうにかなるって思っちまってる」


「それではまずいんだ。

 で、今まで通り憎しみに満ちた目で見るのも一つの手ではあるんだけど、最善は絶望からの泣き落としだ」


「泣き落とし?」


「大体、敵対心丸出しで『収穫物を返せ~』って迫った所で、鞭打たれるか、最悪見せしめに一人殺されるかが精々だ。

 君たちにはなんの得もない。いや被害しかない。


 でも『お願いします! お願いします!』って必死に地べたに這い蹲ってすがってきたらどうだろうか?

 一人二人なら、もしかしたら鞭打たれるような結果が待っているかも知れない。

 でも、沢山の村人に囲まれてその皆が必死にお願いしたらどうだろうか?

 少しでも人情があるなら、ピンハネした分を多少は返す気になるかも知れない。

 傅かれるのが好きな奴なら、気分を良くしてそれを継続させるために恩を売ろうとやっぱり少しは返してくれるだろう。


 感情のままに、憎しみをぶつけても物事は何も良い方向には向かわないと言う事さ」


「………なるほど、そうかもしれねぇ」


「んな訳で、まずはお手本を見せよう」


 そう言うとマルザさんは自分に偽装の呪文を掛け、一気にみすぼらしくなる。まぁ顔は少々不健康っぽくはなっているが、自信に満ちあふれた美形のまんまなので、微妙に違和感があるのだけど……


「さて、まずは君たちは徴税官にどれほど搾取されているのかを確認するためにも、領主からの徴税状を確認する必要がある。

 かといって君らは文字が読める事になってないから、相手に読ませるわけだけど、読み上げる時にのぞき込めば本当の数値を知る事は出来るだろう。

 まずはこんな感じだ」


 マルザさんはいきなり地面に這い蹲ると、夫の足元にすがりつく。


「そんな! こんなに持って行かれたら俺たちゃ今度こそ冬を越せずに死んじまう!

 領主様は、領主様は本当にこんな酷い仕打ちをするんだか?

 領主様だって今の村の状況は解ってるはずだぁ、徴税量だってきっと変えてくれてる。

 だから、だから全部持っていく前にもう一度、もう一度徴税量を確認してくれねーか?

 お願いだ。いや、お願いします。お願いします!お願いします!

 本当にこのままじゃ……本当に……うぅ……

 お願いします。お役人様。今一度、今一度、ご確認を……」


 其処には美形のマルザさんはもう何処にも居なくて、目に涙を浮かべ必死に徴税官にすがる平民が居た。


「…………」


「と、まぁこんな感じだ。こういう長台詞は代表一人がおこなって、他の人は這い蹲って『お願いします』を連呼する感じかな。

 子供の場合はそう言う演技よりも『ひもじいよう……』ってのを身体全体で表現できればベストだ。

 ……って、あれ? もしかして俺の演技下手だった?」


「そんな事無いッス! 超迫真の演技っす! ぐっじょぶっす!」


 そう答えるのはビューさん。うん確かに迫真の演技だった。あんなの沢山に囲まれて迫られたら確かに効果有るだろう。

 でも、みんなが一番驚いている原因はその猛烈なギャップだろう……


「す、すげぇな……確かにこんな風に迫られたら断るに断れねぇに違いねぇ。

 俺達にこれを身につけろって事か」


「うん、こういうのはある程度得手不得手があるから、苦手な人はばれないように早々にその場を立ち去る事。

 全員に演技指導はするけど、最終的に実行に移すメンバーは此方が判断する」


「解った。お願いする」


「でも取りあえず今回は、一度村に帰ってくれ。

 で、日が沈んで常在の役人が寝た頃に、村人総出で来て貰えると助かる

 役人の方は朝まで起きないように睡眠魔法をかけておくからばれる心配はない。

 きっと彼はお疲れで今日割と早く寝ちゃうに違いないしね」


 と、いって笑う。


「ふふふ…… 解った。そうさせて貰おう。

 こりゃ面白い事になりそうだ」


 こうして村人のみんなは演技指導を受ける事になったのだ。


 そして結果も承知の通りだ。彼らからの演技指導により我々は収穫のいくらかを取り返す事に成功したのだ!

ちなみにこれは蛇足ですが、こんな悪環境が数年続いて、冬を越せずに死ぬ人が少なかったのは「まだ死にたくない!」って思っている村人にはケイジがこっそりHP調整してしてたりします。

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