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彼が噂の情報部  作者: くるなし頼
第二章 『情報部』の夏期休暇
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気になる情報

「…どうやら彼らは…生徒会からの命令で動いているみたい。さっき、報告書の提出していたから…」

「でも探索部には頼まなかったみたいだね。僕みたいな一般生徒も、生徒会に話題をだしても話をそらされちゃうし」

「古代宝を探すなら広報部より探索部が適任だろう?探索部が嫌われているのか?」

「そうかもな。だがなぜ広報部なんだ?動いているのもあの二人だけみたいだし…ん?」


俺が自分の部屋に戻ると、香藤部長と雪平先輩が忙しそうに動いていた。その近くの携帯電話から、白池先輩と春崎先輩の声が聞こえる。

そういえば、白池先輩と春崎先輩の姿は見えない。



さて、俺が春城達と話していた数十分の間に、何が起こったのだろうか。



鋭い目つきでパソコンを操作している香藤部長に話しかけるのは少し勇気がいるので、雪平先輩にそっと質問をした。


「あの。雪平先輩。これは…一体…?」

「やあ奏寺、おかえり」

「あ、ただいま戻りました」


その時、香藤部長が舌打ちをした。


「ったく、第三高校のくせにセキュリティーがうざったいな…」

「…」


第三高校に失礼な文句を言いながら、瞬きもせず香藤部長はパソコンに集中していた。明らかにクラッキングによる情報収集をしているのは確かだが…。


香藤部長を怪しい者を見る目でじっと見つめていると、雪平先輩が俺の肩を叩き、部屋にある俺のパソコンを指差した。


「さ、お前もやることがあるだろう?余計なことは考えず、本当の目的のことだけ考えろ」

「本当の、目的…?」



なんだっけ?


というより、何の話だ?


俺は正直、この状況の全てがわからない。



とにかく思い当たる単語を口に出してみた。


「こ、古代宝」

「よし、分かっているな。決してどこかの広報部なんて気にかけるなよ」


雪平先輩に誘導され、パソコンの前に座る。とりあえずパソコンを立ち上げると、雪平先輩は香藤部長の元に戻り、また話し始める。

俺は二人の会話に聞き耳をたててみた。


「どうだ?香藤。『武器になる情報』はありそうか?」

「いや。咲宮も篠川も、やはりこれといった情報はねえな。本当に一カ月以前は目立つようなこともしてない」


咲宮と篠川への『武器になる情報』…。


つまり先輩達は、希月のように武器を扱えない俺のために、情報という名の無形の武器をくれようとしているのか。


…先輩にここまで気を遣わせてしまうとは。


大変申し訳ないような、少し嬉しいような、微妙な感じがする。


「もしもし、勇雅?広報部の部室ってどこかな?僕ちょっと行ってみるよ」

「バカ!危ねえことすんな!」

「大丈夫、大丈夫」

「…ちっ。東校舎三階だ」


穏やかな白池先輩と、苛ついた声の香藤部長の会話が聞こえる。


それにしても、第三高校の東校舎か。何だか懐かしい。

確か第三高校に潜入したのは…。


…。


…確か。


「まさか…」


俺は立ち上げたパソコンのキーボードを、勢い良く打ち、急いでパスワードを入力する。その音に思わず振り返った香藤部長と雪平先輩が、俺に近づいてきた。


「どうした?血相変えて」


雪平先輩が心配そうな表情をしていた。香藤部長は冷静にパソコンの画面を覗き見て、眉間にしわを寄せる。


「これは…情報部の活動記録か。なぜ、そんなものを今見ているんだ?」

「…香藤部長にお願いがあります。欲しい情報があるんです」


俺はパソコンの画面を注視しながら、香藤部長に頼みごとをした。そんな失礼な態度を気にすることもなく、香藤部長は真剣に聞き返してくれた。


「ああ…なんだ?」

「第三高校のとある情報が、ほしいんです」


少し俯いた俺が深刻そうな声でそう頼んだとき、ずっとつながっていたらしい携帯電話から、白池先輩の声が聞こえてきた。


「それなら、僕たちも手伝うよ。僕も瑠衣伽も、第三高校にいるから」

「え、いいんですか?」

「うん。まあ、僕達にできることならば、だけれど」


それに続き、春崎先輩の声も聞こえてくる。


「それで奏ちゃん…なんの情報が欲しいの?」


春崎先輩が優しい声で聞いてきてくれた。何だか顔に笑みがつい浮かんでしまう。


「はい。その情報とは────────」



俺が欲しい情報の内容を聞いて、四人の先輩たちは沈黙した。


やはり、無理だろうか?


諦めた方が良いのかと考え始めたとき、再び電話先から白池先輩の声が聞こえてきた。


「…なるほどね。ははっ、そうか。広報部の二人は、もしかしてってなるね」


楽しそうな声の後に続き、香藤部長が溜め息をつく。


「だが、その情報が残っているかが問題だな。下手したら、すぐに消されているかもしれない」

「そうね…。とりあえず、探すだけ…頑張りましょう」


春崎先輩が小さな声で、電話先からそう言った。その後に雪平先輩が少し首を傾げる。


「だが、そんな情報でいいのか?もっと攻撃的な情報もあるかもしれないぞ?」

「はい。ちょっとこれだけは、確認しておきたくて…」

「なるほどな」


そして、夏期休暇が始まって間もない今日、情報部の大掛かりな情報収集が始まった。

この話を投稿した時点(5月5日午前9時)より1時間後の10時にもう1話投稿させていただきます。


この話から少しの間だけ、1話あたりの文字数が諸事情により少なくなります。


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