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GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第3章
74/76

(72)

……ド……ディド……。



(誰か呼んでる……誰?)





……ディド……。



(ここどこ? 真っ暗で何も見えない)







……ディ……ド。



(赤い光……? なに? 待って、行かないで!!!)




 手を伸ばそうとしたその時、視界が明るくなり色鮮やかな天井が目に飛び込んできた。



 魔法都市ティエルモン独特の天井画だ。


 そして、自分は横になっているのだと気付く。 夢を見ていたのだ。




 ゆっくり体を起こすと全身にひどい倦怠感を感じた。 再び眠りたいと思うほど体が重い。



(私……どうしてここに?)



 ここはおそらくミーチェの家だ。 天井に見覚えがある。

 ディドは未だ朦朧とする頭で順に記憶を辿っていった。




(そうだ、皆は!?)




 慌てて辺りを見渡すと、隣のベッドでアシュレーが眠っていた。

 体にはいくつも包帯が巻かれ、痛々しい切り傷もいたるところに見える。




(アシュレー、こんなに傷が!)




 あの後アシュレーは一人で兵士に向かっていったのだろうか。 こんな自分ためにここまでしてくれたアシュレーに、ディドはいたたまれない気持ちでいっぱいになった。

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