表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第3章
73/76

(71)

「ディド! 止めるんだ!」



 必死の叫びもむなしく、風に掻き消されて全く届かない。

 風は唸り声をあげ、アシュレーの体を傷つけ続けた。



 もっと近くへ!

 なんとか足を踏み出すものの、既に立っているのがやっとだった。



 傷口からは血が流れ、体力を奪っていく。 それでもアシュレーは足を進めた。




「ディド! もう終わったんだ! もういいんだ! 今すぐ風を止めてくれ!!!!」




 ようやく彼女の目の前までたどり着いたアシュレーは、その様子に背筋を凍らせた。



 虚ろな瞳は闇色に染まり、意識がないように見える。

 ただ直立しているだけ。

 それでも体中から溢れる魔力は、風の刃となり辺りへと飛び続けていた。




「ディド!!!!!」




 ふっと一瞬、ディドの瞳が揺らいだような気がした。

 ただ、その瞳のなんと恐ろしく悲しいことか。



 アシュレーは最後の力を振り絞り、夢中で彼女を抱き寄せた。

 体に激痛が走り、意識が遠のく。




「頼むディド。 もう止めてくれ。 これ以上はさすがに俺もまずいんだ……」




 力なく呟いたアシュレーは彼女を抱きかかえたまま、その場に倒れこんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ