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GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第1章
6/76

(4)

 月に一度の王宮の解放日。



 大勢の人たちが自分の前を笑顔で通過していく。

 すれ違う人たちと視線を合わせることはないが、時折哀れむような眼差しを感じる。




「フォルナ、まだかな」




 目を伏せ思わずため息をつくとようやく待望の声が届いた。




「ディドちゃ〜ん! ディドちゃ〜ん! ディ・ド・ちゃ〜ん!」






(やめてフォルナ……)



 独りで待つのは決まりが悪かったが、大勢の前で名前を連呼されるのはもっと恥ずかしい。



 短い言葉でフォルナを呼ぶと、彼女もすぐにディドの姿を捉えた。



 大きく手を振った後、人ごみを器用に掻き分けながら目の前まで駆けてくる。




「お待たせ、ディドちゃん!」



「もう! フォルナ、何やってたの! すっごい遅刻!」



「ごめんごめん、服がなかなか決まらなくてさ」




彼女の言葉に服へと視線を移したディドは思わず顔が引きつった。



「フ、フリフリ……」



「ね、このワンピースどう?」



(どうって……)




 フォルナはスカートの裾を摘んで可愛らしくポーズを決める。



(恥ずかしいから人前ではやめて!)



 喉から飛び出しそうだった言葉を必死にこらえ、ディドは彼女を先へ促した。







 歩き始めてすぐフォルナは思い出したように声を上げる。




「ねえ、サリュエル様とはどこで待ち合わせているの?」



「待ち合わせなんかしないわよ? これから取り次いでもらうんだもの」



「え!? これからって…… 大丈夫なの!? 結局会えなかったなんてオチ、私承知しないわよ!」



「大丈夫よ、今度会うのは休校日だって約束したもの。 サリュは嘘をつかないわ」



「そうよね……サリュエル様だものね!」

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