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GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第3章
57/76

(55)

 しばらく歩いて、たどり着いたのは小さな部屋だった。



 それまで通ってきた部屋とは違い、中には石像が一体も無い。

 ガランとした室内に、ひび割れた石版が一枚立てかけられているだけの部屋だ。



 石版はディドが思い描いていたものよりも大きく、そして風化が進んだ粗末なものだった。




「石版というより石碑って感じだな」



「どう思う?」



「う~ん、状態からして重要なものには見えないけど……」



「でしょ? だからゲートキーパーとは関係ないものなのよ」




 アシュレーがおもむろに石版に近づく。

 ディドも続こうとしたが、思い直して少し離れたところからその石版に目を凝らした。



 平らな石の上部には丸い何かがあり、中央には大きな扉と思しきものが、そしてその下にに二人の人物を象ったと思われる図柄があった。

 さらに下には楔形の記号が連なっている。




「確かにこれが扉といわれれば、そう見えなくもないけど……」



 この時、頭を悩ませているアシュレーとは違いディドは全く異なる疑問を抱いた。




(なんで二人?)




 仮に丸い何かが楽園だとすると、扉と思しきものが楽園への“ゲート”、ここまではわかる。



 その下の二人の人物、おそらく“ゲートキーパー”を表す図柄がなぜ二人も描かれているのだろう?




(もしかして、ゲートキーパーは二人いるの……?)





「触ったらまずい?」


「別に問題ないわよ」




 アシュレーの突然の提案にディドは我に返った。




「えっ、良いのか? う~ん…… ますます重要なものでは無さそうな気がしてきたな」



 アシュレーがそっと手を伸ばす。 ディドはゴクリと唾を飲み込んで見守った。




 石版にそっと触れると赤茶けた砂が指先につき、一部はカラカラと地面へと零れ落ちる。



「これはひどいな。 もう少し力を入れたら崩れそうだ」

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