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GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第3章
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(49)

「なによその反応。 あ! まさか、逢び引き!? ふ〜ん、そう。なるほどね。 どーりでこの私の誘いにも乗らないわけだ。 二人お揃いの赤い宝石身に着けちゃったりして、あやしいと思ってたのよね。 な〜んだそういうコトか」



「ち、違うわよ! 何言ってるの!? お揃いの宝石なんて知らないし、私達はただゲートキーパーの……」



(しまった!)



 ミーチェの誤解を解こうと必死になるあまり、ディドは一番触れるべきではない言葉を口走ってしまっていた。

「ゲートキーパー?」



 慌てて口を塞いでも、既に遅かった。



「何でもない。 呼びに来たんでしょ? じゃあ、早く行きましょ」




 話を強引に終わらせようと外へ促すが、ミーチェは話題を変えなかった。




「あなたたち、もしかしてゲートキーパーを探して旅をしているの?」


「違うわ」



 ディドは即答した。

 ここで押し黙るとかえって疑われる、そう判断したからだ。

 一方では引き下がらないだろうと覚悟も決めていた。



 しかし、腹をくくったディドに反して意外にもミーチェの疑いは直ぐに晴れた。




「それはそうよね、ゲートキーパーなんて存在しないもの」



「え?」



「何よ、まさか居ると思ってるわけ?」



「……ううん、居ないんじゃないかな」



「じゃないか…… じゃなくて、間違いなく居ないのよ! だって、あれは他国から伝わってきた民話みたいなものでしょ? ノヴィアに存在したなんて聞いたこともないし、大体人を幸せにする力があるとか楽園に導いちゃうなんて、もう人じゃなくて神の領域じゃない」



 人差し指をピンっと立てて自分の意見を主張するミーチェ。



 なにはともあれ、ゲートキーパーだと明かしても笑い飛ばしてくれそうな彼女に、ディドはひとまず安堵するのだった。

 ところが……




「でも変ね。 探してもいないのに何でゲートキーパーだなんて言ったの?」



「……それは、その……」





「俺たち、本当はゲートキーパーを探しているんだ」



「アシュレー!?」




 返事に困っているディドの横で、それまで黙っていたアシュレーはさらりと言ってのけた。

 まるで当たり前のことであるかのように。

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