表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第3章
41/76

(39)

「何者だ!! 何で俺たちを付け狙う!!」




 馬乗りになり鋭い声で相手を威嚇するが、押さえつける左手には思いがけない柔らかさがあった。




「……?」


「アシュレー、上!!」




 その時、岩でできた槍が何本もアシュレーに襲い掛かってきた。



「え!? ちょっ…… おわっ!」



 慌てて相手から飛び退くと剣で槍を叩き落す。




「ミーチェから手を放せ! この変態野郎!」




 頭上から浴びせられたその声にアシュレーは目を丸くした。



「こ、子供!?」



 アシュレーが見上げた声の主は、まだ15、6くらいの少年だった。 サラリとなびく銀のボブヘアーが印象的だ。



「リンツ!」



 ハッとして今度は近くで聞こえた声の主を見て更に目を丸くする。




 目の前で起き上がった相手はディドほどの少女だった。

 見事なプラチナブロンドの髪をなびかせてアシュレーを真っ直ぐ見据える。



「後ろ!」



 アシュレーが気を取られている間に少年が駆けつけてくるのが見えディドは叫んだ。



 少年に目を向けたわずかな隙に少女は、するりとアシュレーの元を逃れ少年に駆け寄る。




「ちょっとリンツ! 邪魔しないでよ!!!」



「邪魔って…… だってミーチェ、危なかったじゃないか!」



「あんなの平気よ、どうってことないわ。 あ〜もういいところだったのにぃ〜」



「なんだよそれ、助けてあげたのに! 大体ミーチェはいつも」



「わぁーもう、またお説教!? そんなのママだけで十分よ!」



「ミーチェ!!!」




耳を抑えながら壁の上に飛び移る少女と、少女を叱り付ける少年。

 敵を目の前になんとも滑稽なやりとりだ。



 勝手な仲間割れで盛り上がる二人をディドもアシュレーも呆気にとられて見守ってしまっていた。




「あのさ。 彼、せっかく助けてくれたんだから、お礼くらい言った方がいいんじゃないかな?」



 間抜けにもアシュレーが声をかけてしまうと2人は同時にアシュレーに目を向けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ