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GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第2章
19/76

(17)

「よぉ兄ちゃん!また頼まれてくんね〜か?」


 林檎をかじりながら目的地に向けて歩いていると、今度は良く日に焼けた逞しい体つきの男性に声をかけられた。



「悪ぃ、大将。 これから人に会うんだ」


「何だ、予定ありか。 仕方ねぇな」


「また今度手伝うよ」


「ああ、よろしく頼むぜ」



 お互いに手を挙げて軽く挨拶を済ませると、青年は大通りを曲がり路地へと足を向ける。


 そして、目的の酒場へとたどり着いた。





 一本中に入った通りに店を構えるこの酒場では、客たちが酒杯を片手に談笑して盛り上がっていた。



 青年は、店に入り辺りを見渡す。

 すると、少し離れた場所から聞き慣れた声が飛んできた。



「アシュレー! こっちだ、こっち! 悪ぃな、色々待たせちまって!」



 アシュレーと呼ばれた青年が振り返ると、そこには銀色で短髪の青年が窓際のテーブル席に座り、手を振っていた。



 彼を見つけて、アシュレーはほっと一息つく。

 一年ぶりに見る幼なじみの顔は変わらず元気そうだ。



「一月も待ったぞ、ジェイド」


「う゛……」



「おかげで、路銀は底尽きるわ食い物に困るわで大変だったんだからな」



「……いや、だから悪かったって。 仕方ないだろ、こっちも仕事があんだよ。 王都の兵になって半年って言っても、まだ新米だから融通きかねーし……」



「冗談だ。 そんなこと、わかってるよ。 とりあえず適当に働いて食いつないでたから問題ないさ」



 アシュレーは帯びていた剣をテーブルの淵に立てかけ、彼の向かいの席に座ると近くの店員にぶどう酒を頼んだ。





「あ、これ。 さっきおばちゃんから貰ったんだけど、お前も食うか?」


「……殆ど芯しか残っていないのな」



「美味いぞ?」


「要らね〜よ」



「あ、そう? 美味いのに……」

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