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GATE KEEPER  作者: ちゃすけ丸
第1章
14/76

(12)

『見せては駄目!!!』




 その瞬間、彼女の頭の中に声が響いた。




 誰だか解らなかったが、ディドは本能的にそれが正しいと感じた。



 次の瞬間、王女に背を向け扉に向かって走り出していた。




「なっ……!? 王女の願いに背くばかりか黙って背を向けるとは、何と言う無礼者! 子供とて許さぬぞ。 衛兵、彼女を捕まえろ!!!!」




 突然の出来事に戸惑った大臣だったが我に返ると指示を飛ばす。



 間髪入れずに扉の前にいた兵士が両手を広げ、駆けてくる彼女の前に立ちはだかった。




「退いて!」




 ディドが叫ぶと、彼らは見えない力に吹き飛ばされる。


 兵士は扉に激突すると短く呻き声を上げ、その場に崩れ落ちた。



 辺りは騒然となった。



 謁見の間では無断で魔法を使用することが禁止されている。

 たとえ子供といえど大罪だ。



 周りの兵士たちは表情を強張らせ、罪人を取り押さえようと一斉に動き出した。




「来ないで!」




 ディドも抗うつもりなのか更に魔力を高めている。





(目覚めたか……?)



 騒ぎの中、サリュエルは冷静にディドを監視していた。



「王女、ここは危険です。 奥へ隠れていて下さい」



 そう言うと近くの魔術師に王女を托す。




「サリュエル、あなたは?」



「ディドを止めて参ります。 ……大丈夫です、心配いりません」



「でも……」



 彼は不安そうに自分を見つめる王女に向かって頷くと、ディドに向かって駆け出した。

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