はじめっ!
「では川内艦隊、出撃します!」
「おう。一応無線で繋がってはいるが気をつけるんだぞ」
「提督もしつこいなあー。大丈夫だって!」
…そうだね。杞憂で終わってくれるのが1番だよ
「提督さん!帰ったらお土産くださいね!」
「俺がお土産!?…うん。買っておくよ」
それを聞くと三人は少しずつ、海の向こうへと進んで行った
「…ああ、彼女たちの姿が、遠く小さくなって行く……」
別に今生の別れと言うわけではない。ないのだが何だか悲しく…
『提督ー!聞こえてるー?』
「ぎゃぁぁぁぁぁあ!?!?」
『川内さん。提督さんが驚いているのです!』
『やめてあげなよ…』
「あ、いや、いいんだ。元気そうで何よりだよ…」
欲を言えば、もうちょっとだけ感傷に浸ってたかったかなぁ…
『提督、今の所敵影は見た感じないね』
「まぁ、今は俺からでも君たちが見えるからね。当たり前ではあるような……いや、細かい報告をどんどんくれ。そのほうが報告がないより断然良いから」
『了解なのです!』
『…一時の方向に積乱雲が見えるよ』
一時の方向というと…俺と彼女たちは今同じ方向を向いてるから俺から見て右手前か
「作戦海域はそちらの方向じゃないから大丈夫だとは思うが…心配なら戻ってくるか?」
『まさか!それは心配のしすぎだねー』
『余裕なのです』
『大丈夫だよ』
「そ、そうか。それなら良いんだが…」
こういう表現の仕方はよくないが…自分が生身の人間だからだろうか、自分が同じ境遇に置かれていると思った時にどうしても過保護になりすぎる気がする
でもまあそれぐらいが彼女たちにはちょうど良いのかもしれない
『…!敵さんのお出ましだよー!』
『魚雷発射なのです!』
『僕は様子を見ておくよ』
…お?
『…魚雷命中。駆逐ハ級を撃沈だね』
『やったのです!』
『…まだだ。あと一隻いるよ』
…おお?
『よっしゃ!夜戦突入ー!』
『待ってなのです!まだ時雨が…』
『きゃっ……被弾しました。小破だからまだ行けるよ』
…んんん?
「おい、大丈夫か?辛かったらすぐ戻ってきて良いんだからな?」
『提督は、何もわかってないねー。今ここで戦闘を放棄して逃げたら提督がいる鎮守府が襲撃される可能性があるんだよ』
「えっ…そんな危険性があったとは…」
『でしょ?提督も命が惜しいなら――』
「君たちが休憩している時に攻撃されたらたまったもんじゃない。目の前のそいつを完膚なきまでに叩き潰してくれ」
『…え?』
「は?」
俺は確かに戦うことは出来ないけど、未来のために君たちにお願いをすることは出来るはずだ
『いや…提督は自分の命を守るために戦えと言うのかと思ってたんだけどね』
「まさか、俺の命も大切ではあるけど、君たちのいない鎮守府に俺は必要がなくなるからね。君たちがいなくなったらそれはもう死んだも同然ってこと。だから、もう今回はそいつを倒したらすぐに撤退するんだ」
『…了解!おっ…と、攻撃が飛んできたね。戦闘を再開するよ!時雨、電!』
…無線が途切れた
おそらく集中するためだろう。
まぁそうか。指示をすることしかできない外野の人間が喋りかけてきたら気が散るよな…
「頼む…無事に勝って帰ってきてくれよ…」
今回はちょっと短めで投稿…




