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我、ここに着任す!

トラック島泊地なのに鎮守府だあ!?だとかそう言うのは出来れば考えないで脳死でお読みいただけると作者が喜びます

世界が深海棲艦の脅威に飲み込まれてから12年と少し、とある若者が誰も手をつけてこなかったトラック島泊地に着任した


誰も手をつけなかった理由?そんなのはどうでもいいだろ。まぁ、強いて言うのであれば遠い!!離島!!田舎!!だからかなあ


自然が多いのも都会から遠く離れてるのも、今の現代人からしたらどれも魅力的だと思うんだけどね


「…というわけでトラック島に着いたけど…誰もいねえ、必要最低限の物以外何もねえ…」


これは…田舎なんてもんじゃ断じてない。自然だ。誰も来ない理由がわかるよ。だって開発されてないんだから


「噂には聞いていたが…これは酷いな…」


少しだけ歩いて辺りを探索してみようか。


「…雑草ボーボーだな。あとで抜かねえと…」


ふと、ここへ来る前に上司に言われたことを思い出す


『お前がトラック島に行くと聞いて最低限の設備の調整と掃除はさせておいた。向こうには数年前からとある艦娘がいてなぁ…』


…その娘は、ずっと誰かが来るのを待っていたのだろうか


上司は、艦娘のことをただの兵器だとしか思っていないのだろうか


…いや、実際そうだろうな。自分が模擬試験を受けた時も、そこの提督はまるで艦娘を手足のように、自分勝手に…


そう言えば確か、俺が最初に持つ仲間の名前は…


「駆逐艦―――」


「あの、すみません…」

「ぎゃああああああああああ!?!!?」


「ひっ………ごめんなさい…なのです……」


「…あぁっ、謝るほどじゃないさ!いきなり後ろから話しかけられる物だからびっくりしただけでね、それで、君が電ちゃんか?」


俺が着任するこのトラック島泊地で1番最初の仲間、駆逐艦「電」


上司からある程度の説明は受けていたが、何と言うか、想像していたよりちょこんとしている…


「はい、あなたは…?」


「俺はここトラック島泊地に着任した、新米提督だ!よろしくな!」


「…ほんとですか?本当なのですかっ!?」


お…なんだか……元気になったぞ?


元気になったのなら良かった。何故かは知らないが…


「あっ、すみません…以後気を付けるのです…」


「ええ!?何を!?そして突然謝らなくてもいいんじゃないか?」


「…私は、どうすれば良かったのですか?」


「…えっ?」


「十数年も、来る日も来る日もいつかきてくれる提督さんを待ち続けて、何人か訪れはしたものの皆さんはどこかへ行ってしまって…」


oh…


「……そうか、辛い思いをしたんだな…大丈夫だ。俺はどこにも行ったりはしない。安心しろ」


なんだか、こんな薄っぺらい事しか言ってやれない自分を不甲斐なく思う


「…本当ですか?」


「おいおい、俺を誰だと思ってるんだ?有言実行をただひたすら貫いて提督になった男だぞ〜?」


そう言って少しだけでもとこの空気感を紛らわそうとする


とその時、ふと彼女が笑った


「…わ、笑った…笑った笑った…おおおおおお、いいじゃん!!」


「…恥ずかしいのです……」


「いいなぁ…突然だけどさ、何で俺が提督を目指そうとしたか知ってる?」


「…知らないのです」


「そりゃそうだ!あははははは!俺は家族全員が提督についてる、いわば名門みたいなところの生まれなんだけど、皆未来に希望を持っていない。輝かしい未来を想像できなくなってたんだ。幼い頃の俺には衝撃的でなあ…」


電の顔色を窺いながら続きを話す


「今さっきの君みたいな、そういう輝かしい笑顔を大切にする提督になりたいと、君たちを兵器として扱わず、対等な人間として共に未来を歩んでいける提督になりたいと思ったんだよ」


…やばい。言い方ミスったか…?

艦娘に人権がないことが当たり前みたいに捉えることもできちゃうな…これはいけない。俺の、これからの提督ライフにいきなりヒビが入ってしまう


いや違う。俺と電との間の信頼関係が崩れてしまう!というか形成できなくなる!!


「提督さ…」

「あああああああああああああごめんね、違うんだ。俺はそういう意味で言ったんじゃ……電ちゃんごめん、今何か言おうとしてただろ…?」


「私は、貴方のような人が来てくれてとても幸せなのですっ!」


…俺は、まだ提督としては幼いのかもしれない。

自分の勘違いだと信じたいが、今の会話にもところどころ間があったように感じる。やっぱり俺のことを気遣ってくれてたんじゃ…


「んなああああああああやっぱり俺はダメだ!!!ごめん電ちゃん!俺やっぱダメなやつだよ!てか初対面でちゃん付けしてごめんね!?ああああああああああ」


「て、提督さん…一回落ち着いてなのです…」


「あっはい」


「急に落ち着いた…なのです」


「いきなりだけどさ、いつから俺の後ろをつけてたんだ?」


「この島に上陸してからなのです」


…ん?


「じゃあ、俺の独り言とかも?」


「はい」


…んんんんん?…微妙に恥ずかしい


「…そうか、なら話は早い。俺からの最初の命令だ!草むしりをしよう…俺と一緒に」


「えっ提督さんもやるのですか?」


「当たり前だろ。俺は完全なるホワイト鎮守府を目指すんだ。そのためには細かい一つ一つを大事にしないとだからな」


「…はい!なのですっ!」


俺は、この娘を大切にする。深海棲艦に襲撃されて空の星になってしまった家族や、家族のもとにいた艦娘たちに誓って―――


ホワイト鎮守府です。

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