第8話
「昨日は眠れたか~……」
「ギリ寝れたよ……ハァー······」
次の日、村の入り口でエモーラと待っていると、眠そうにするブレウスたちが村の中から現れた。
「どうしたんですか。そんなに眠そうにして?」
「昨日、あの後酒場で夜中まで飲んじゃって、寝不足なんだよ…」
ジンカムはやれやれそうな表情をして、ブレウスたちに怒り始める。
「もう何で私があなたたちを起こさなきゃいけないのよ!!」
「スマンスマン!ごめんってジンカム······!」
軽く謝るブレウスにジンカムは仕方なく、許すのであった。
「なぁ!今日はどこまで潜る?」
「考えているのは昨日と同じ近核部でのブラッドリザード狩りだけど、他にあるなら変えても良いと考えている」
「そうだ!昨日のブラッドリザードの血液はどのくらいで売れました?」
ブレウスは思い出したように懐に仕舞っていた金袋を取り出した。
「忘れるところだった!はい!これ、みやの分な!」
渡された金袋には金貨が一枚と銀貨が五枚入っていた。
「これは······?」
「昨日の報酬だ!昨日はたくさん活躍してくれたし、同じパーティーの仲間にはちゃんと報酬を払うべきだしな!」
「ありがとう!」
「まぁ今日も付き合って貰うけどな!」
このような話をして、目的地である遺跡へ向かうみやとブレウスたちは突然の着信音に驚く。
「この音は?」
不可解な着信音にはてなを覚えるみやにエルサが優しく教えてくれる。
「これは緊急クエストが提示された時に鳴る音だよ」
ブレウスたちはギルドカードの緊急クエスト項目を開く。緊急クエストを開くとカード上から3D映像が反映される。
「緊急クエストが先ほど提示されました!内容はこのようになっております!」
その映像には緊急クエストの内容が書かれていた。この映像曰く、最近できた遺跡の最奥、つまり、核部にギルドランクSSの魔物が発見されたという内容だった。
「おい、これヤバくねぇか!?」
「確かにヤバい······。俺たちが狩りに行こうとしているブラッドリザードはギルドランクAの魔物だ。それに対して今回の緊急クエストのギルドランクはSS···、このランクは過去に100も無いほどに珍しいランクだ。今日は行くのをやめるのも止む終えない······」
「でも、SSがいるのは核部なんでしょ?なら、近核部の手前で狩る私たちは大丈夫なんじゃない?」
「どうしようか?」
ブレウスたちは悩みに悩み、一つの決断へと導いた。
「今日は中核部での魔物狩りをしよう。もしかしたら、核部の魔物が近核部に出現しているかもしれない······」
「分かったよブレウス!」
「俺らも良いぜ!」
「みやはどうする?」
「行きます!!」
ブレウスたちは今日の報酬分を稼ぐために狩りに行くのであった。