第4話
アルマ様と別れた後、みやは先ほど見つけた村に向かっていた。
━━━この世界に来て初めての村だ。日本とは違う雰囲気なのかな〜?
みやはエモーラと共に近くの村に行くのであった。その村では街ほどの盛んさは無いけれど、ほどほどに盛り上がっている。村の中は食堂や酒場、食品店が多く並んでいる。
みややエモーラが村を歩き回っていると裏路地へ抜ける横道でか弱そうな少女が5人組の巨漢に絡まれていた。
「おい!金を返して貰おうか!!お金がないなら良い仕事を紹介しようか!」
「お金はもう全額払ったじゃないですか!?」
「いや、まだ残っているよ···利子がよー!!」
「あれ何しているのかな~」
「きっと、闇業者に金を借りてしまったんだよ…。利子やなんやら言いつけて、本当の目的は悪い仕事をさせたいだけだよ…」
「何でそんなに詳しいの?」
「よくアニメとかラノベとかで良く見る展開だから…」
「あに···め?ラ···のべ?ナニソレ……?」
「ん〜、物語とか童話?とかに近いものかな」
「そうなんですね~!」
みや達が横道を眺めていると5人組の誰かが気づいたのか、大声で話してきた。
「何見てるんだ!!お頭あいつどうしますか!」
「殺ってしまえ!!」
お頭以外であろう輩たちがみや達に襲いかかってきた。曲刀を持った輩が二人とアサシンの持っていそうな短剣を持った輩が二人、計四人がみやだけに襲いかかった。
「おりゃ~!」
「ずり〜ぞ!エモーラッ!幽霊だからって見えないのはずりー」
「幽霊だからしょうがないじゃないですか!!」
みやは曲刀を持った輩二人からの攻撃を受ける。
━━━危ない!ん……?輩たちおっそ!スローモーションに見える。
みやは軽々と曲刀をもった輩二人の斬撃を避ける。
「クソッ!今度こそ行くぞっ!!」
今度は四人全員で襲いかかってくる。
━━━避けることはできるが、武器持ってないし、人となんて戦ったことないよ…。とりあえず敵の武器を奪うか…。
みやは相手の動きに合わせるように相手の武器を回収していく。四人の輩たちはいつの間にか自身の手から武器が失くなっていて、みやの手元に武器があることに驚いた。
「今何をした!?」
「············」
「なんとか言え!」
「···あんたらの手元から凶器になりえるものを奪っただけ…」
「それは理由になってねぇよ!!」
「埒が明かないな!もうお前らはそこにいる少女を捕まえといてけ!!すまんな、部下が雑魚で。だが、ここからは頭の俺が相手してやるよ!」
━━━別に相手が欲しい訳じゃないんだけど…。っていうか、戦ったことなんて無いし戦いたくもない。
「何でその子を解放しないのかな~と思ってただけなんだけど…」
「そりゃ~金を払いきれてないからに決まってるだろ!」
「さっき、金は払い終えたと、その子言ってたと思うんだけど……」
「いや、それは間違いだ。利子分が足りないからな」
「そうなのか…じゃあ僕には関係ないことだし帰りますね!」
「待てよ!ここまで見られたんだ。ただで返すと思うか!」
すると、頭らしい男が片手銃を持ち出し、みやの脳天を狙って撃ってきた。
━━━危なっ!!!
みやはギリギリのところで銃弾を避け、頭らしい男が持っている片手銃を奪いに行く。
頭らしい男は身体を青く光らせると、みやの反応速度についてきた。
━━━何だと!?
みやは反応速度についてくる相手を見て、焦っていた。だが、そんな時に視界の中に一つのスキルが輝く。それは先程神様から貰ったスキルと同様の名前であった。みやがそのスキルの名前を呟くと、みるみるとみやの反応速度が上がっていく。加速したみやを見た敵はみやを視認することが出来なくなってしまった。みやは自身を視認されてないうちに敵の片手銃を奪い、足元で踏みつけるように壊した。
「おりゃ!これでもう良いだろう」
「クソ!お前ら撤退だ!!」
「はい~!!」
敵は速やかに裏路地の方へ消えて行ったのだった。