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第22話

 煙が充満した入口から潜入するみやとエモーラ。ラスラングスの洞窟の中には数えきれないほどの盗賊が居座っていた。

「あんた、誰だ···?」

「エモーラ、そのまま隠れといてくれ······」

「こんなヒョロガリ、私1人で十分ですよ!」

 突然、集団の中から1人の中年男が前に出る。髪と顎髭がくっ付いている巨漢が見下す様子で片手に棍棒を持つ。

「ゴルダンさんだ!あいつ終わったぜ!!」

 周りで嘲笑う盗賊団の下っ端たちはゴルダンと言う者が勝つと思っているらしい。

 みやはゆっくりと腰に付けている短剣に手を置く。

「やる気出ちゃって、そんなにやる気なの······。お姉さん嬉しいわ!!」

 一様、言っとくと目の前に立ちはだかっているのは断じて女子ではない。髪と顎髭がくっ付いた中年男だ。

「おい、マジか······。この大きいがたいと伸ばした髭でオカマなんて、最悪なんだが·········」

「それじゃあ、逝くわよ!!」

 みやは迅速でゴルダンの真下まで潜り、地から空へと短剣を斬り上げた。

「痛った~~!!······私の肌に傷を付けやがってー!!」

 中年オカマ男は小さな切り傷で激怒し始め、女性口調からガチガチの巨漢口調に変貌する。

 みやは隙を逃さずに次々とゴルダンへ短剣をぶつけていく。やがてゴルダンの体は傷まみれになり、ゴルダンの呼吸も乱れていく。

「何故、ここまで私の棍棒があんなヒョロガリに通らないの······!?」

「あいつ、あんなに細い体型なのに速すぎないか!?」

「ゴルダン、これで終わりだ!!」

 みやがけりをつけるために片手に持った短剣でゴルダンに向けて、超高速の斬撃を放とうとした時だった。背後から聞き覚えのある声の悲鳴が聞こえた。

「おい!!この女がどうなっても良いのか!!」

 その声の先を見るとそこには先ほどまで共にいた加織の仲間の女性とこの女性を捕まえた盗賊がいた。

 盗賊の手には毒を塗った短剣が持たれている。

「何をする気だ···?」

「分かるだろ。お前がそこから一歩でも動いたらこの女にこの即死の毒を塗った短剣を刺す」

 みやはゴルダンを前にして足を止めた。

「どうやら私たちの勝ちのようだわ!この屈辱、その身体で拭わしてもらうわ!わっはっは!!」

 中年オカマ男はみやを舐め回すような眼差しで見つめ始める。

 みやは震える体を必死に抑え、下を見つめた。

「嬢ちゃん、名前はなんて言うんだい?」

「·········」

「おいおい、素直に従わないと間違えて刺しちゃうぞ!」

 加織のお仲間さんを捕まえている盗賊は好色そうな目つきで女性の身体を見ながら、女性の上半身をじっくりと短剣の持っていないほうの手で触れる。

「キャ~!!」

「良い声出すねー······」

 男は女性の悲鳴を聞いて、さらに広範囲を触り始めた。

「おい!!今すぐ止めろ!!」

「あなたは私とやりましょう!」

 こっちもヤバイな······。だが、ここであの女性を死なせるわけにもいかない。俺の迅速ならすぐにでもあの盗賊を倒すことが出来るとは思うが、他の盗賊が女性に毒性の短剣を刺すかもしれない。

 みやは焦りながらもこの状況を変えられる策を考えていると女性を捕らえている盗賊の背後に艶やかな赤い髪をした見覚えのある姿を見かけた。

「このクソ野郎がーー!!!!」

 透明化していたエモーラが女性を捕らえていた盗賊の頭を床に殴りつけた。

 殴られた盗賊は床に打ち付けられた勢いで気を失い、周辺にいた盗賊たちは何が起きたか理解が出来ず、唖然としている。

 みやはこの好機を逃すまいとぼっーとしているゴルダンに向けて短剣を心臓へ斬り刺した。

「ブハァ!!」

 ゴルダンは静かに床に倒れた。

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