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第19話

「今回、君たち《豹水の翼》とみやくんに来てもらったのには理由があるんだ。君たち先の戦いで《餓狼の陽炎》と会っているだろう?」

「はい···、会ってはいますけど戦場ではあまり関わる機会が無くて、ほとんど会わなかったですよ」

「あの者らは今回の戦いで大怪我を負ってしまい、戦前に受けていたクエストを強制的に取り止めになってしまったんだ。餓狼の陽炎の受けるクエストはどれも高レベルで低ランクパーティーでは受けられないものが多い。とりあえず、王都で受けているものは高ランクパーティーに頼むことが出来たんだが、ここら辺の地域の依頼の請け負い役がいなくて、困っているんだ···。だから、君らに受けて貰えないだろうか?」

 ブレウスたちは少し考え、パーティーで意見をまとめたのか、決まったようだ。

「みやはどうするんだ?」

「僕は簡単なクエストがあるのなら受けますけど、昨日みたいなヘドロスライムや竜みたいな魔物は無理ですよ!」

 ギルド長はまたしても微笑し、後ろに立っていた秘書らしき女性に氷を耳に詰め込まれる。

「ヒェ!······大丈夫だ、あんな強い魔物は滅多に出ねぇよ!この町じゃBランクのホーンウルフ程度だ···」

 みやは少し強い魔物ではあるがヘドロスライムよりも強くはないことを知り、安堵するのであった。

「分かりました。餓狼の陽炎が受けている中で最低のランクのものなら受けます」

 ギルド長やベルドラン王子は嬉しそうな表情を浮かべた。

「良かったー!それじゃあ、頼みたいクエストがあるから、早速いいか?」

「はい」

 ギルド長は早速秘書から依頼書を貰い、テーブルに並べ始めた。

「君たちにはこの1週間でこの5つの依頼を請け負って欲しい···」

 テーブルに並べられた依頼書を確認するとランク指定が書かれていない討伐依頼や採取依頼だった。

「これらの危険度はどのくらいなんですか?」

「あぁ、急いで作ったから危険度を書いていなかったな。大丈夫だ、どれもBランクの依頼だから慎重に取り組めば、君たちでも出来るだろう」

 ギルド長の反応は清々しいほど後ろめたさが無かったため、みやは本当のことだと思った。

「おい、ギルドちょ······!?」

 ブレウスが何かを言い出そうとするとギルド長の秘書であろう女性が口を塞いだ。

「ブレウスさん、お静かに······」

 ブレウスは秘書らしき女性の視線を浴びせられると静かに座った。

 ······???

「まず、ブレウスたちにはホーンドラゴンの討伐とイーラル村に棲む池のヌシの討伐、ヨランス鉱脈にあるヨランス鉱石の採取のクエストをお願いしたい」

「分かりました。その3つが俺らなら後の2つが······」

「あぁ、残りの2つをみやに頼みたい。良いか?」

「分かりました······」

 こうして会議に近い話し合いは終わった。

 みやはブレウスたちと共に冒険者ギルドから出ようとする。その時だった。

「みや···、頑張れよ······」

 ブレウスはその一言だけを発してみやとは反対方向の道へ進み始めたのだった。

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