オタクライフを送っていたら、玄関から異世界に飛ばされていました!?
俺の名前は鈴木みや。
普段は学生として週に5日大学に出席している。
俺の名前は鈴木みや。
普段は学生として週に5日大学に出席している。
俺には週に一度楽しみにしていることがある。
「カンカンカンカン!今日から発売の渚のユナのアニメDVD入荷しました~!」
店員がそのように話すと店内でうろついていた大人たちが瞬時に店頭へ走り出した。
俺もそれに負けじと行列の中に入り込む。
「絶対に手に入れてやる!」
行列は時が進むにつれて減っていく。
「···危なかったー。ラスト一つでギリだったぜ!」
俺は汗で濡れた肌をマフラータオルで拭き取り、行きで使っていた自転車に乗って家へと帰る。
「渚のユナは社会現象にもなったアニメだからやっぱり入手困難なDVDになると思っていたけど、店頭販売も激しかったな~」
帰っている途中、俺は信号が赤で自転車を止めて待っていると後ろから声をかけられた。
「あんた・・・。そのまま後ろを向かずに話を聞け!」
突然のことで頭が追いつかない。だが、言う通りにしなければ何かをされることだけは理解し、こくりと頷く。
「あんたはこの世界が不平等と思ったことはないか?」
脅迫されていると思い、言葉が上手く口から出ない。
「死にたくなければ答えろ!早く!」
「思ったことはあります。でも、今は平等に出来ていると感じます!」
「そうか...!次だ!あんたはこの世界に満足しているか?」
「もの凄くしています!」
「わかった!最後にあんたは生まれ変われるとしたら生まれ変わりたいか?」
最後の質問は生きてきて一度も考えたことがない質問で答えるのに時間がかかる。
「···ん~、今の人生に満足をしているかと聞かれても…。どちらかと言えば生まれ変わりたいとは思わないかな…です!」
すると、背後にいたものは頭に付けていた銃口を離し、つまらなそうな顔をしながら来た道を戻るように歩いていった。
···何だったんだろう…?
背後にいたものは瞬きをするとともに消え、前を向くとすでに信号は青だった。
「···やばっ!?」
みやは今起きたことを不思議に思いながら自転車を急いで漕ぎ始める。
··················。
家に着くと早速買ったアニメDVDを開く。
「やっぱり発売初日に見るアニメが一番サイコーだぜ!」
オレンジジュースを片手に右手でリモコンの再生ボタンを押す。
「みんな〜アニメDVDを買ってくれてありがとう~!このDVDには第一期全話収録と特典の特別短編アニメ、声優のラジオも収録しているよ〜。アニメの最後には重大告知があるからDVDを楽しんで見てね~!」
みやは買ったばかりのDVDを長時間かけて全て見る。
··················。
「うわぁ〜!眠い…。もう7時か~」
みやはすぐそばにあるカーテンを開く。
「うわっ!!眩しいー」
視界は太陽の光が眩しくて何も見えない。
「そろそろ大学に行く準備をしないと…」
タンスから教科書を取り出し、空のバッグに入れ込む。冷蔵庫から昨日作ったおかずを弁当箱に突っ込み、バックへ入れ込む。
みやは諸々入れたバックを持って玄関の扉を開き飛び出す。
「いってきま…す~!!」
扉の先は見たことのない世界の上空だった。
「うわぁ〜あわあわわぁ〜!!おい!!何で扉の先が上空なんだ~!?」
みやは勢い余って上空へと繋がる扉の先に身を乗り出してしまった。
地面が近くなるにつれて、妙に鼓動が早くなっていく。
「このままはやばくね~か!?誰かっダレカ~!!」
声を上げても返事をする人の様子は伺えない。
地面に接近しそうになる瞬間みやは目をつぶり、身をくるむ。
なぞに体に浮遊感を感じる。
みやはゆっくりと目を開き、体を起こし頭を支える。
「痛たたた~!ここはどこだ?」
みやの前に広がっていたのは渚のユナの世界だった。