焼肉屋へゴー
「いやー、ご馳走様です。東さん。」
「おう、遠慮せずたんと食え。」
焼肉の煙が店内に充満する。
如月との一件から数週間後、約束していた焼肉に東堂くんと来ている。
「東さん。紗奈とコラボカフェまた行ったらしいですが、俺について何か言ってましたか?」
「あぁ、緊張して食べられなかったーとか言って初々しい感じだったぞ。」
「そう...ですか。紗奈カフェに着いたら全然喋らなくて、ケーキも1つしか食べなくてやっぱりひがしさんと行きたかったのかなって」
「はは、彼奴東堂くんにいっぱい食べる女の子って思われたくなかったから食べなかったて言ってるよ。」
「本当ですか?」
「あぁ、心配する必要ないとは言ったが、いっぱい食べる女の子可愛いよな?」
「勿論。好きです!でも、そんな事まで聞き出せるなんて、東さんはどうやって紗奈と仲良くなれたんですか?」
「別に仲良くなれたって言うか舐められてるだけだぞあれ」
「俺、紗奈こと好きになったぽくて。もっと仲良くなりたくて」
・・・
「まじ?」
真剣な表情で淡々と話を東堂くんは、続ける。
「東さんは知らないと思いますけど、紗奈
学校で人気なんです。この前も告白されてて...だから、俺なんかが振り向いて貰えるかどうか」
「え?そうなの!?」
意外すぎると思ったが、よくよく考えると顔は可愛い。モテると言われても違和感は無い。
「だから、東さんに紗奈といい感じになる様に手伝って欲しくて。」
まさか、現代でも恋のお手伝いをするとは思わなかった。
「俺?まぁ、そりやぁ手伝っても良いが具体的に何するんだ?」
「これなんですが...」
そう言いながらスマホ画面を見せてくる。
画面には、如月とのライントークが写っている。
「ちょっとここの返信を考えていて...え?」
東堂くんのスマホ画面を見ると如月の自撮りが送られていた。服も可愛いピンクフリルのパジャマで結構際どい。
数秒後、送信取り消しがされた。
勿論、東堂くんは画像保存をしている。
「やるな、東堂くん」
思わず感心。
「えっ、いや。そんな目で見ないでくださいよ」
東堂君は、慌てて画像を消す。
ラインには、如月から東堂君へ「見なかった事にして下さい」と送られている。
「東堂君。君も自撮りを送ってあげなさい」
「だから、そんなんじゃないですって」
タジタジの東堂君。新鮮でいいな。からかいたくなる。
「じゃあ、東さんも映って下さいよ」
「何でだよ」
「東さんとメシ食ってるって事で送るんですよ」
バイト仲間の恋路の手助けの為だ。まぁ良いだろう。
2人で自撮りした写真東堂君に送る。
すると、如月から俺宛に「見た?」とラインが来る。俺は、「見てない」と返してやる。
すると、電話がかかってきた。
「もしもし?」
『私が撮ったやつじゃ無いから!送ったのお姉ちゃんだから!』
「何のことだ何も見てないって」
ガッツリ見たが可哀想なので嘘ついておく。
『絶対見た。何を見たか言ってないのに見てないなんて言わないし!』
「何だ、鋭いじゃん」
『ひがしぃ----っ!忘れろ----!』
「ごめん紗奈。俺のせいだ。」
東堂くんがあやまる。
『そんな、東堂先輩のせいじゃ無いです。私が送ってしまったんですから』
「紗奈...」
「悪かったって、俺が忘れてやるって。待ってろ... 1...2の...ポカン!俺は如月の自撮り写真の内容を忘れた。」
すると如月がドスの効いた声で
『...ひがし。許さない。覚えてろ』
と言い。電話をブチっと切った。
「俺、殺されんのかな。」
「東さん。すいません...」
俺たちは、この後お通夜ムードの焼き肉を楽しんだ。




