中庭にて
昨日の夜。とうとう三間から返信が来た。
内容は、昼休みに中庭に来てほしいと言うものだった。
そして今は、昼休み。正直何を言われるか分からないのでドキドキしている。怒られるのは確実だろうが。
中庭に着くとベンチに三間が座っている。
三間短い時間だったが、もうかけがえのない友達だ。松田は、どう思うか分からないがこれだけは通させてもらう。
「三間ごめん。真剣に大林を思っていたのにも関わらず、軽率な行動した。」
「あ...。翔太は、ぜんぜん悪く無いよ。むしろ私が、全面的に悪い。私も、ライン無視とか色々酷いことして、ごめんなさい。」
「え?じゃあ許してくれるのか?」
「許すも何も、元々私が無理して言ったものだし」
「はぁ...良かった。もう、話せなくなると思ったぜ」
安堵のため息を吐く。
静寂が訪れる。
真剣な顔付き、少し手が震えている。
静寂を破ったのは三間だ。
「私、康太と付き合う事になりました!」
◇
放課後如月に連れてこられたのは、マンション群だった。
「ここ...お前の家?」
「そうだけど?素で話してる所なんて見られたらたまったもんじゃないし、安心でしょ?」
マンションの一室に入るとそのまま、如月の部屋に通される。部屋の内装は白い壁と白木の床。中央の白デスクにデュアルモニターと透けパネルのゲーミングPCで、椅子の背に猫耳ヘッドセットが掛けられていた。
そんな感じで、俺が部屋を見渡していると、如月は制服の上着を脱ぎ、スカートのファスナーまで下ろし始めた。
「おい!俺いるんだけど!?」
「何?あんたにそんな勇気あんの?」
そう言いながら、ベッド脇のハンガーからオーバーサイズのジャージを引っ張り、オーバーサイズのジャージに腕を倒す。
「痴女め」
「はぁ...うざ。お祓いでもしたら出て行ってくれないかなぁ、ほーらでていけー」
如月が霊媒師の真似をしだす。
「...はぁ、で今日はなんなんだ」
俺がそういう、ポンとゲームのコントローラーをこちら、投げてきた。
「今日はね、松田くんから東くんを引っぺがす方法を考える。その前にウォーミングアップ」
そう言うと、如月はベットの上に座り、ポンポンとベットを叩き、こちらに来る様促す。
画面に立ち上がるのは、派手な光線と爆発が売りの格闘ゲーム。キャラ選択も待たず、如月はトップティアの忍者を選択する。俺は仕方なく、いつもの重量級ロボットで応じた。
カウントダウンがゼロになる。開始三秒、忍者が分身を撒き、手裏剣コンボでロボットを壁際に張り付ける。わずか十秒で体力ゲージは空。
「弱っ」
軽く笑われたが、どう見ても如月の操作が異常だ。
「いや...如月が強いんだろ。このゲーム、身内でも強い方だったんだぞ」
「次いこ。負けた方、アイス奢りね」
再戦ボタンを押す音が乾いて響く。三戦目でようやく一矢報いたところで、背後の扉が小さく開いた。
「あれ!おにーちゃんだれー?」
くるりと首を傾げたのは小学校低学年ほどの女の子。姉と同じくりくりとした瞳をしている。
「おお、お兄ちゃんは、君のおねえさんのお友達だ」
「へぇー!じゃあ一緒にあそんでよー!」
「ちょっと紗奈。ちゃんと手洗った?帰ってきたら先ずは、手洗いうがいでしょ」
紗奈? 珍しい苗字に、バイト先でタメ口を連発するJK、その名前。頭のパズルが一気に組み上がる。
如月優奈は、バイトJK如月紗奈の姉じゃねぇか!?




