不通
俺は、三間に何度か連絡を入れたが返信は来ず修学旅行最終日を終えた。
しかし、休日を終え、登校をしても返信は無い。最初は、ショックで話したくないと思っていたが、流石におかしい気がする。
そして、図書委員の当番日を迎えた。
俺は、図書館に座して待ってたが時間になっても三間来ない。
すると、図書室にいた朝田が声をかけて来た。
「三間さんが来ないのって私のせいですかね...」
しょぼんとした顔をしている。
恋愛は、勝者が一人のバトルロワイヤル。敗者が勝者の顔を見たくないという事は考えられる。その辺りを心配をしているのだろう。
「いや、三間はそんな奴だとは思わないが」
「でも、私がよく図書室いるから...」
すると大林が話に入ってくる。
「俺も奈緒はそんな奴だとは思わない。だけど、松田も奈緒と偽装カップルしてた仲だろ?何か聞いてないのか?」
「ラインをしたが、返信は来ずだ」
「俺がライン入れてみるよ」
大林がラインを入れる。すると物の数十秒で返信が来た。
「どうだった?」
「学校には、居るみたいだ。図書室にこれから来るらしいよ」
俺のラインは、返さないのに何でだよ。届いて無かったのか?というか、ブロックされてる?
数分後...
ガラッ
図書室のドアが開く。
「...よ、よぉ、三間」
「...うん」
ぎこちない挨拶を交わした後、そのままちょこんと椅子に座る。いつもなら椅子を寄せてラッパみたいに話かけてくるのだが。
「お、おい。松田何かしたのか?」
「何もしてない...はず...」
昼休みが終わり、図書室を出る時三間に声を掛け二人きりの状況を作る。
完全に不貞腐れていた。
「その、力不足かも知れないが相談にも乗るし、今なら何か奢ってやろう。そうだな、駅前のアイスクリーム屋のアイス好きなだけ奢ってやるよ」
「へぇ、そんな事して良いの?如月さんがいるのに」
ジトっと俺の事を見ながら言う。
「あ、いやー」
如月、如月そうだね。いたなー畜生。
正直、三間とは違うクラスで松田と仲良くしてる所なんて見たことは無かった。
「じゃあね」
そのまま、三間は行ってしまった。
正直、松田の身辺を少しでも荒らさなようにするという事を考えれば、三間と疎遠になるのが正しいのだろう。
◇
翔太から連日ラインが来る。勿論未読無視。
今の状態が良くないのはわかってる。
でも私は...
この状態が心地いい。
あいつは、本当の彼女作った。だから今後、私の事何て考えないんだろう。
でも、あいつは優しいから連絡をくれる。
連絡を入れるって事は私の事を考えてくれてるって事。
あっ、今日も来た。
ふっと笑みが溢れる。
でも、こんな日々も続かない。反応が無ければ当然あちらも気を使って、連絡して来なくなるだろう。
そろそろ返さないとな...。
別に話したくない訳じゃない。ただ...
瞬間、電話が鳴る。
相手は、康太だ。珍しい。
スマートフォンの受話器ボタンをタップする。
「もしもし?珍しいね。どうしたの?」
「よっ、ちょっと松田の事でな。そろそろ、返信してやれよって話」
「あぁ、うん。その事なら返そうと思う。ちょっと約束破られたからこれで懲りたでしょ」
自分を棚に上げて、あたかも翔太が悪い様に言う。翔太は何も悪くないのに。
「そうか、約束って松田と付き合ってるふりをするって話?」
「うん。そう...って!?」
「ああ、松田から聞いた。」
淡々と康太は話す。
「言っちゃったか。振られちゃったからまぁいっか」
「あぁ、そのことだが俺と和花は、付き合ってない」
「え...?何で...そんな事...」
「仕返しだ。奈緒、告白の時松田の事考えてただろ?」
「私が翔太の事?」
「あぁ、かなり顔に出てた。だから、振った。何で俺に告白してんのに他の奴の事考えてるんだよ!ってな。お前の作戦かなり効いたぜ。」
「えっ...と。それじゃあ」
「俺は、奈緒の事が好きだ。今もな」
「へぇ!?うそ...でしょ?」
顔が真っ赤になる。数年越しの恋が叶う瞬間。うれしい!うれしい...はず。でも、なにかつっかえる様な感覚。
「告白の時は、何で俺以外の奴のこと考えてんだよって思って振った。だが、状況は変わった。如月と松田付き合ってるらしいな」
「...うん。」
「だからさ、奈緒。俺ら付き合わないか?」




