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下校
陽子さんの顔を見た途端、凡夫は心の中が温かくなり、ふわふわした気持ちになりました。
そして無意識のうちによろよろと陽子さんに歩み寄っていきました。
「陽子さん、僕・・・」
「いいのよ、気にしなくて。それよりも一緒に帰りましょう。もう暗くなってしまったわよ」
実はこれまで凡夫は陽子さんと一緒に帰ったことがありませんでした。
好きな女の子と一緒に帰る・・・夢にまでみた状況でした。
とてもうれしくて、なんだか下半身が熱くなる気持ちがしました。
「う、うん!」
元気よく答え、一緒に教室を出ました。
(続く)