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怒られる
「平手くん!」
突然担任の田島先生の声が聞こえた。
そうだ、先生から指されていた途中だったのに、頭が勝手に別のことを考えていた。
「どうして名前を呼んでも答えないんですか!先生もいい加減怒りますよ」
小さいころからそうだった。
どうも突然頭が違うことを考えてしまうときがある。
悪気があるわけではないが、それで学校や家でもいつも怒られてしまう。
「はいっ、すみませんでした、本当にすみませんでした」
凡夫は背中を丸め、本当に申し訳なさそうにした。
「本当にダメな生徒ですね」
田島先生に言われ、今まで本当に申し訳ないと思っていた凡夫の心に突然メラメラと火がついた。
「なんだと・・・このクソバ
(続く)