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歩行戦艦ビーケアフォー 絶対対艦歩行主義  作者: 深犬ケイジ
第2章 タンクウォッカ

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第21話 どこまでも続く壁

アミからの連絡で朝、起きることとなった。


「おはよう!! お寝坊さん。随分とお疲れのご様子で。お昼近いよ? いい加減起きてよ」


 「そんなに寝ていたのか」


アミは少し申し訳無さそうに謝罪してきた。


「ムサシの学習スピードが速くて、調子に乗っちゃってね。ガンガン教えちゃったからさ。無理させちゃったかなと……反省してます」


「いやいや、大事なことを教えてくれたのだろ? 面白かったし。俺さ、今までに無いくらいに熱中して勉強できたから。そんなに弱った声しないでくれよ」


「久しぶりの教官役だったから熱がこもったの、ごめんね」


「君は正しいことをした、そう言うことでこの話は終わり」


「わかった…… それでね、そろそろ降りる街に着くから準備してねって連絡を入れたの」


「荷物はそんなに多くないし、朝の身支度してから、すぐに準備するよ」


「それじゃ、終わったら連絡を頂戴ね」


「了解した。また後で」


 俺は身支度を大急ぎでして、荷物をまとめた。


 アミに連絡を入れると一緒に展望フロアに行こうと提案された。

 俺は何かあるなと察しが付いたので喜んで提案に乗った。アミは例のごとく嬉しそうにしていた。

 展望フロアに来てみると他の乗客も来ていた。

 景色がよく見える場所に陣取って、アミに聞いてみる。


「アミさんよ? また凄いものが見れるんだろ? 俺、このパターン知ってる」


「順調にこの世界に慣れてきてるね。今回のもいい線いってると思うよ」


「そうか! どーれ? どれ? どこにあるのかなっと? 」


 そう言って期待全開で景色を眺めてみる。


 展望室に入った段階で気がいた、前方にそびえる山脈があったのだ。

これはテーブルマウンテンと言うやつだ。


しかし、山というより巨大で、どこまでも続く、端は一直線の壁と言ったほうがいいだろうか? なんだかスケール感が大暴走していた。


 船の進路は壁のラインに沿って斜めに進んでいた。


 切り立った巨大な崖の上に平たい直線が続いていた。そして、そのテーブルマウンテンは視界の端から端まで永遠に続いているように見えた。テーブルマウンテンと言うより荒野を海として見たてて、島と言った方が……いや大陸かこれ? 歩行船に乗っているのもあり感覚がおかしくなっていた。そして、スケール感はさらに大混乱していた。 


 よく見る壁はスケール感の間違いで直線に見えただけだった。切り立った崖の足元に稜線が所々にあった。更にその先には飛び出た岬のような部分があった。 


 その中でも比較的大きい岬の先端に灰色の建造物が見えた。遠いのでまだちょっとした塊のように見える。


「あれは監視塔だよ」アミが教えてくれた。


「塔? 俺にはちょっとした城塞に見えるな」


 しばらく眺めていて距離を進む。

 改めて目を細めてみるも塔というよりも、ずんぐりとした巨大な城に見えた


 切り立った崖の足元に連なる稜線の先端の岬のような最終端に続く船の航跡というか足跡といったほうが的確であろうか。足跡が幾つも重なっている幾筋もの線がそこに続いている事に気がついた。


 しばらく、船が進んでいくとアミがそろそろかなと声をかけてきた。


 アミが船の航跡を注意するように指差しをしていた。


 その航跡を目で追っていくと岬の先端の建造物がある崖が途切れている事に気がついた。 


 船が舵を切っていく。船は進路を徐々にその崖に向けていった。

 

 角度が変わったので崖の影に隠れていた巨大な洞窟が見えてきた。それは大型のフェリー船が余裕を持ってすれ違えるくらいの洞窟であった。


 進路を洞窟に合わせてアプローチを始めた。


 洞窟はトンネルのように長く続いて内部は暗くなっていた。外の明るさも手伝ってより暗く見えた。


 洞窟の通路を進んでいくと段々と通路は広がっていった。目も暗さに慣れてきたので途中から灰色のコンクリートに見える造形に変わってきた。


 よく見てみると明かりがあった。ライトが破線を壁に描いていた。洞窟に思えたのはとんでもなく巨大なトンネルであったことに気がついた。


 トンネルの暗さに完全に目が慣れてきて、奥の方に明るい出口が見えてきた。


 先を注視していると最初に塔のようにも城のようにも見える建造物が見えた。


 トンネルの出口をくぐると、そこは船が何隻も入れる施設が見えた。小規模な街が入る程の超巨大空間があった。


 上を見ると天井から生える下向きのひし形の段状ビルがあり、他にも吊り下がる建造物があった。


 壁は岩肌に見える。先程のトンネルとは材質が違うように見える。


 トンネル出入り口の直線上にある塔だか城だかの奥には洞窟の壁と一体化した階段状の巨大建築物があり、左右の街を分断する様に巨大な建物として存在していた。


 聞くとそれは港湾施設の中心的な建物で奥に続く通路と門の様な役割があるとの事であった。


 視線を街にずらすと中央施設の左右の街は港湾施設であることに気がついた。


 それぞれの壁際には船が係留する岸壁があり、船がハマれる位の大きなくぼみが幾つもあった。そこを岸壁として数隻が係留されていた。


 左側の施設には大きめの岸壁に移動クレーンや大型のロボットが行きかい発光するアーク光や飛び散る溶接の火花から修理施設であることが見受けられた。


 そして右側にも同じ様な港湾施設があり、そちらは物資運搬用の施設やコンテナ、そして乗客ターミナルと思える建造物が見えた。

 岸壁から何車線もある大きな通路が伸びており、行き交う大型車やコンテナ車が中心の建物に出入りしているのが見えた。


 自分たちの船が係留されるのはそこだと言われた。


 そして中央施設を通って訓練施設に移動するそうだと教えられた。


「相変わらず、ムサシはいい反応をしてくれるようね」


 アミがクスクス笑っていた。


「そりゃ、こんな巨大な洞窟トンネルにさらに巨大な洞窟があって、とにかく巨大な建造物が大きくて……街が洞窟の中に超いっぱいあるです」


「ムサシ? なんか変な言葉になってるよ」


「大きいものが巨大でおっきくて、もうなんだか意味がわからなくなってきた」


 実際に頭がくらくらしている。


 なんかこの空間自体が自然な光に照らされているので余計に違和感を覚えていた。


「なんか明かりが自然光すぎるんだよ? ここ超巨大洞窟だろ? なんなの? 」


 アミがドヤ顔で話しだす。


 山の中腹などに集光板があるので自然光が内部に行き届いているとアミが教えてくれた。


 夜は天井の建築物のライトが発光して、それなりの明るさを保つそうだ。


「中央施設から伸びてる塔みたいなお城はなんなの?」


「あれはね、昔は戦艦だったそうなの、それを利用して防衛施設にしてるんだって、ほら砲台とかあるでしょ? 」


「言われてみれば戦艦っぽさも残しているような? 左右に増築した砲塁とかあるけど塔の形は艦橋だね。煙突はなくなってるけど」


「でしょ? 面影はあるでしょ? 後ろは中央施設まで岸壁みたいに伸びて長細い建物になってるけど」


「長細いって結構な長さに見えるけど? 車がちっさく見えるし、結構な幅だよな」


「周りに比べて細長いって話、洞窟の真ん中に突き出てて長く伸びてる岬のようにも見えるでしょ? 」


「まぁ、見えなくもないが。洞窟の真ん中くらいの戦艦の場所にまで伸びてん岸壁みたいの何アレ?」


「中央施設の中心から戦艦まで伸びてるやつ? 甲板の高さの部分は通路だよね? 下の部分は気にしたこと無いけど何かしらの設備じゃない? 建物にも見えるけど」


「連絡橋というよりはビルが幾重にも連なっていて屋上を通る巨大な橋ともみえるかな? 」


 それより、戦艦もどきがやたら重武装なのが気になり始めた。


「あんなにゴッツイ砲台をこさえて、ここまで敵が来るのか? 」


「昔は結構ヤバイくらいだったらしいけど、戦力が整ってきて間引きもできるようになって、昔に比べたら安全になってるらしいって聞くけどよ? この中まで敵が来てるの見たことないな」


「ほー? なんかごっついから現役で戦うのかと思った」


「現役だよ? 役割は管制塔みたいなことになってるけど。防衛施設は現役で稼働してますよ? 」


「準備万端なのね、恐れ入ります」


「重要な施設だからね。気合も入りますよ」


「何があるの?」


「自然食品が多い輸出港なの」


「そりゃ、重要だわ」


 船はターミナルに近づきつつある。入港はスムーズに行われている。


 岸壁には物資運搬用の車や運搬ドローンが多く走っている。


 港湾施設にはコンテナ置場やや広い駐車場が見えている。


 景色を眺めていると港と街が広がっている車の大きさから考えて野球場が何個も並べられるくらい壁まで距離がある。


 とんでもなく巨大な空間だと無理やり納得しようと考えていた。


 そして、空間を支える技術とかはオーバーテクノロジーでなんやかんやしている事になるんだろうなとかと考えていた。


 そのうち船は止まり乗下船プラットフォームが船に接続していた。


「そろそろ降りるよ。ムサシ? 」


「わかった。行こうか」


「この眺めをもう少し楽しみたかったかな? 」


「まだ、いいものが沢山あるよ!! さぁ! 降りた降りた!! 」


 アミがとても良い顔で言ってくれた。


 どうやら、何かまだあるらしい。


 次は何が見れるのかと俺の期待は膨らんでいた。


 俺達は下船するために展望フロアを後にした。


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