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想いのdiscrepancy  作者: 春原百乃
3/5

03

「おつかれさん」



教え終わったのか、私と優那の元に来た雄夢

水筒をとってごくごく飲む



「いやぁーモテ男って大変ねぇ〜。王子様ー?今日は何人に告られました?」



「今日はー…っているわけないだろあほ」



雄夢好きという女子は多い

同い年はもちろん、年上からも


後輩が入ってきたらまたモテるんだろうなぁ


雄夢とチャラ男、2人とも告白される回数が尋常じゃない



「今日も奈津(なづ)バリバリきめてますねぇ〜。ゆーちゃんはあーゆータイプが好みなん?」



「いや、まったく」



「高嶺の花っ」



「なんか使い方間違ってない…?」



雄夢の彼女になりたくてきめてくる女子は少なくない


特に、あの子は



奈津(なづ)ー今日はどお?」



「あと少しで落とせるね、うん。手応えはある」



増田奈津

私のクラスのクイーン的存在



性格は明るく、統率力がすごい

クラス中の人気者で、彼女の周りにはいつも人だかり



私の恋敵でもある



2人が並んだらお似合い

雄夢と増田さんは2人で学級委員だ



《学級委員をまず決めるぞー》



なかなか決まらない中、手を挙げたのが、



《やります》



雄夢だった



女子がその後急に手を挙げ始めて、

中等部次席だった増田さんが多数決で勝った



増田さんは2人きりになることがあって嬉しいって思ってるけど、

雄夢はそんな風には思ってないらしい


いや、


思わないようにしてるだけかも



「…………!……、、………ょぅ!りょーーう!!」



「……っえ?なに?」



「遠足の班一緒にしよーよ!って話してたんだけど聞いてた?何回呼んでもなかなか気づかないから心配したよー保健室行く?」



「だいじょぶだよ。少し考え事してただけ」



私たち3人のケータイのバイブ音が2回鳴る

開くと、あのチャラ男からのグループチャットだった



[初戦突破!!]



それと、ピースサインのスタンプがひとつ



「あいつよくやるよな」



「チャラ男のくせに」



グズ男だのチャラ男だの言っていつもいじる優那

優那があいつの事が好きなのはバレバレ



私も心から恋を楽しみたい



けど、



我が家では、主人と召使いの恋は認められておらず、

召使いが他人と恋することを許されていない



「…喉かわいた」



「瞭侑、これ飲む?」



「ありがと」



さっき雄夢が飲んでた水筒

私はあえて彼が口付けたところから飲む



間接キスができるのは私だけの特権



私の脳裏にうつるのは、委員会の仕事を楽しそうにこなす雄夢と増田さんの姿



雄夢はこーゆーことは好きな子とやりたいよね



心臓にぽっかり穴が空いた衝動に駆られた

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