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想いのdiscrepancy  作者: 春原百乃
2/5

02

少しずつ暑くなっているこのごろ

ブレザーを着てない分肩が軽い



送迎はもちろん車

駐車場には、いつもの車掌さんが待ってくれていた



学校に向かう道中で、私たちの予定を聞くのは彼の日課

移動時間には必ず待ってくれてるからとても頼もしい



「今日の予定はどうなっていますか?」



「15:40までがっこー。今週は掃除当番あるから少し遅くなるかも。そのあとはいつもどーりね」



「俺も一緒でお願いします」



「わかりました」



学校について、教室に向かう

偏差値は高めの有名進学校



私は性格上あまり自分のことを話さない

しかも親が有名な投資家



友達作りはほんとに苦労する



今考えてみれば、こんなにいい友人ができたのは奇跡に近いかもしれない



「おっはよーりょーちゃん!あいかわらずクール決めてんねぇ~。」



「あ、おはよ。」



この子が、その友人

名前は浅野優那(ゆうな)



「ねねね聞いて聞いて!!昨日ほんっっとうにすごかったんだから!あの演出といい、声といい…。ファンと一体化してたのよ!りょーちゃん誘ったのに来なかったから…」



「はいはいよかったですねー」



「もう素っ気ないなぁ…。まあそれがりょーちゃんなんだけどね!円盤化したら強制的に見てもらうからね!もう絶対行けばよかったって後悔するもん!」



いつも明るい優那

私もいつか彼女みたいになれるかな



「『なつきら』ほんとにすごいのよ!2人ともやばくてすごくてほんとになんてゆーの?もうすっごいんだから!」



「優那、語彙力」



「いやいやそーいうもんだいじゃなーいっ!そんなもんなくてもすごさは分かるでしょ!?」



「うーん…どうだろ」



『なつきら』というのは、声優の輝香(きらか)捺香(なつか)が組んだコンビ名

それぞれ別々で活動しててそれなりに人気あったけど、2人が共演した時にこれがまたすごい反響があったらしい



周りに耳をすませば、みんなライブの話で盛り上がってる



「めっちゃ話変わるけどさ、きみの彼氏すっごい人気よねぇー」



「彼氏ではないんだけど…」



雄夢は女子に囲まれて勉強を教えていた



ちなみに、優那は私と雄夢の関係を知らない

まあばれるのも時間の問題はだと思ったりはする



顔よし、ルックスよし、性格も明るくてみんなの王子様的存在の雄夢



少女漫画でいう、かっこいいセリフをさらっと言えちゃうようなイケメンとか



私は比較的静かに過ごすタイプ

いわゆる『陰キャ』



それに比べて、雄夢や優那は明るくみんなと接する『陽キャ』



私たち3人と、あと1人でつるんでるんだけど…

今日彼は部活の大会みたい



「あ、そーいや今日サッカー部公欠だっけ?あいつ、1年のくせにエースやってるもんなぁ…。入部してあまり日が経ってないのに」



「そうだね」



4月にあった仮入部ですごいプレーをしたらしく、大歓迎されたらしい

本人も喜んで中旬に入部


あまり日が経ってないのにもうレギュラーとして活躍している



「…しかもチャラいし」



「ん?優那なんか言った?」



「う、ううん。何にも」



「そう」



優那はリーダーシップがあり、雄夢は頭脳明晰。そして今日いないあのチャラ男は運動神経よくていいムードメーカー



「なんで人ってこんなに差があるんだろうね」



「え?なんか言った?」



「あ、ううん。なんにも」



「…そう」

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