表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を喰らう自由人  作者: ドム×2
5/9

傷だらけの女性

では使ってみますか・・・。

俺は【コネクトショップ】と念じる。

すると目の前にステータスと同様にウィンドウが出てきた。

画面には食材や日用品、銃器まで写真や説明付きでのっていた。

銃器はおかしい気がするけど・・・ネットショッピングみたいな物なのかな?

商品の写真の下には値段も付いている。

ポイント??


画面下には所持金欄もあり、購入と売却ボタンが付いているんだけどやり方が解んない・・・。

見たことはあるけど実際にネットショッピングとかしたことないんだよな・・・。

端の方に問い合わせボタンがあった、俺はそれを駄目元で触れてみる。


「ピロリロリン~ピロリロリン」


「これはもしかしてオペレーター的な相手に繋がっちゃう?・・・やべ、どうしよ。うあぁキャンセルボタンがないぞ」


触れた瞬間に呼び鈴が鳴り始める。

俺はパニックに陥り解除しようとしていると音が鳴りや止み、画面に人の顔が映った。


「ご利用有難う御座います。担当のルピスと申します。本日はいかがなさいましたか?」


「・・・・・」


「何かお困りでしょうか?」


「初めまして。えっと、これって何なんですか?」


「・・・どれの事でしょか」


「俺の特殊スキルにコネクトショップってのがあって、使ったらこうなったんです。はい」


「初めてのご利用のようですしご説明させていただきますね?」


「はい」


謎の女性ルピスは画面越しに話し掛けてくる・・・まるでTV電話みたいだな。


ルビスは丁寧に説明してくれた。

コネクトショップとは、専用の仮想通貨を使い異世界間で商品の買い物ができる。

買い物をするにはポイントが必要になり、そのポイントは商品を売りに出すことでしか得ることはできない。


異世界間やら色々と突っ込みたいが・・・気にしたら負けか。

それにしてもかなり使えるスキルだが、魔法の袋よりも秘匿しなきゃいけない気がしてきたぞ・・・。


「今何かお売りになれるものはございますか?実際にやってみましょう」


「は、はい。じゃ・・・こっちの世界の金貨とかどうですか?」


「ではまず販売ボタンをタッチして下さい。できましたら売りに出す商品を画面に押し込んでみてください。・・・はい。よくできました。最後に販売ボタンを再度押せば販売完了です。お客様が販売した商品は私共で査定し買い取る形になります。査定が終えましたらポイントに変換させていただきます。画面の一番下に500ポイントありますよね?それが今回の販売代金になります」


「早いですね・・・ちなみに500ポイントってどのくらい価値があるんですか?後、地球の日本って国の商品はありますか?」


「少々お待ち下さい。・・・お待たせ致しました。日本との取引も御座いました。それでですね、日本の商品で500ポイントだと・・・日本酒が一升瓶で十数本買えますね」


おお~・・・だとすると100ポイントで1万ぐらいかな?


「ちなみに購入した商品は購入済みリストに入ります。好きなときにお取り出しください。説明は以上になります。お客様、他に不明な点は御座いますか?」


「今のところありません。たぶん大丈夫です」


「それではまた何か質問ができましたらお呼びください」


ルビスがそう言うと通信が切れた。


日本の他にいろんな世界の物が買えるけど、この世界の物を売って仮想通貨を得るか・・・。

金貨じゃ半値になっちゃうし、街に着いたら他ので試してみよう。

あ、先に調味料だけでも買っておくか。


「味噌と醤油はっと・・・あったあった。味噌が一樽で100P、醤油が一升瓶が2本で50Pのを購入っと」


購入ボタンを押すと所持Pが350に変化した。

次に購入済みリストを見ると商品はちゃんとあった。どうやら問題無く購入ができたようだ。

とりあえず醤油を1本を取り出してみるか。

取り出す数を設定し受け取りのボタンを押し、画面に手を伸ばし瓶を掴む。

画面から手を抜くと手には便がしっかりと握られている。


「おお~すげ~。味は・・・うん醤油だ」


取り出せたことに感動し、確認の為手に少し垂らし舐めてみるが間違いなく醤油だった。

これで塩だけの料理から解放されるな、今はお腹いっぱいだから明日の朝使ってみよう。


俺は瓶が割れないようにそっと魔法の袋にしまう。

他の商品もみていくが魅力的な物ばかりだったな。

いつでも買えるように売って売って売りまくっておくか。

俺は明日からの生活が楽しみになり、そのまま寝ようと寝床につくことにした。



「・・・ガサッ」


ん?なんだ?

俺はなにやら音がしたので目を覚ました。

目に見える範囲には何もいない・・・。

数十分は耳を澄ましながらジッとしていたのだが何も起きない。

何の音だったのか気にはなるが、魔物ではない気がしたので再び瞼を落としていく。



日が昇り目が覚めた。

今朝は目玉焼きと残り物の失敗作のスープだ。

目玉焼きに醤油を少し垂らし、まずは黄身を潰さず白身だけ食べていく。

これだけでも涙が出て来るほど美味い!!

次に黄身を潰し口の中へ・・・。

旨し!!絶品だ!!

黄身と醤油のコラボレーション・・・最高だった。


俺は至福の時を過ごしながら昨日の夜に聞こえた音について考える。

魔物ではないし風もなかった、どうしても気になるので朝食後片付けも済んだら少し辺りを見回ってみることにした。



昨日の晩に音がした方向を念入りに散策している。

木の上を見たり、足元の草木を掻き分けたりと・・・。

途中でマップの存在を忘れていた事を思い出し調べてみると、近くに緑の点が存在する事に気付く。


マップの情報を元に近寄り、草木を掻き分けた奥になにやら物体があった。

俺はその何かを棒で突っつき安全を確認し手繰り寄せてみた。

これが昨日の音の正体だろうか?



今俺の目の前には獣人の女性らしき生物がいる。

白い髪からは可愛らしい耳が出ており、服から白い体毛と尻尾が見えていたので獣人だと判断した。

顔は人間と変わりはないように見える。

少し痩せこけてはいるが小顔ですごく美人な顔立ちだ。

体系もやや細身ではあるが、出るところは程出ているし、足のスラっとして長く綺麗だ・・・。


何度か突っついてみたが生きてはいるみたいだった。

体中に切り傷が見られたので色々と思うことはあるが、俺はコネクトショップで救命セットを買い手当してあげることにした。



手当が終えた頃、目が覚めた女性は俺と目が合いしばらく動きが止まってしまった。

声を掛けようとしたところで飛び上がりフラフラのまま逃げようとしている。


「大丈夫だ。手当てしていただけだ。聞きたいこともあるし少し話しを聞かせてくれないか?」


俺が声を掛けた所で自分の体を確認しその場に座わり込んだ。

無理して動いてたみたいだな。


「俺の名前はジュン。昨日の夜にこの辺で何か物音が聞こえ、今朝になっても気になってしまい探してみたら君が倒れていた。体中傷だらけだったもんで手当したんだ。君は?」


「・・・ピュナ」


「ところでどうしてあんなところにいたんだ?」


「・・・人間に襲れた」


「はぁ~・・・俺は襲ったりしないから大丈夫だぞ?」


「・・・・・」


「まぁ信用は出来ないよな・・・。食事と水筒はここに置いておくから自由に使って、まずは身体を休めてくれ。手当てはしたが回復魔法とは違うから動けるようになるまで時間は掛かると思う。俺は今日ここを立つつもりだったけど・・・君が動けるようになるまではここで守るから安心していいよ」


「・・・・・」


「え〜っと・・・俺は見回りに行ってくる」


そういって俺はその場から逃げた・・・。

帰った時いなければそれはそれでいいか、と思いながら周辺を念入りに警戒して見ていく。



日が暮れそうになるまで魔物を退治したりとずっと周辺を見回り続けた。

拠点に帰ってもピュナはいないだろうと思ってるが、守るといった手前やることはやらないとな。

結局この日は追ってらしき人影も見ることはなかった。



拠点に戻るとなんとまだピュナがいた。


「お、ただいま」


「・・・・・」


「あ~森の中には追ってらしき人影はいなかったよ。これから温かいご飯作るから少し待っててくれ」


返事すらしてくれないが仕方ない。

襲った相手が俺と同じ人種なんだ、普通に考えても警戒は解くべきじゃない。

朝のご飯は食べたみたいだしまずは良しとするか。


よし、それじゃ温かくて美味しいご飯で元気出させるか。

ん~栄養も考えてシチューでいいか、あとはロールキャベツ作って入れよう。

俺は魔法の袋から食材を取り出し料理していく。


茹でたキャベツに細かく刻み叩いた肉を少し乗せ、キャベツで包んでいく。

シチューに投入し少し煮詰めて出来上がりだ。

ピュナはずっと火の側で座りながら俺の料理する姿を見ていた。

料理に興味があるのかもしれないな。


出来上がったシチューを器によそいピュナに手渡す。

なかなかピュナが食べてくれなかったのだが、安全である事を見せると食べてくれた。


「・・・おいしい」


一言だけ呟きその後は無我夢中で食べ始め、何度かおかわりもしてくれた。

勢いよく食べるがその所作は上品、俺はその横顔に見惚れてしまう。


「・・・綺麗だな・・・」


「・・・・・」


「いや、ごめん・・・」


思わず声に出てしまう程だ。

見られていることに気付き背中を見せる動作もすごく可愛い・・・。


「ありがとう美味しかった」


「どういたしまして。それでいったい何があったのか教えてくれないか?」


「・・・人間に里が襲れた。みんな捕まって連れていかれ、抵抗すると殺された・・・」


「連れていかれたのか・・・そいつら何処に向かった?」


「ここからすぐの大きな街」


「もしかして西の方にあるベリルの街か??」


そう聞くとは涙を浮かべ頷く。


「大丈夫、知り合いもいるから情報集めてきてやる。明日の朝街に行ってみるよ」


ピュナを宥め一緒に助けに向かう事を俺は誓う。



翌朝ピュナの身体の状態を確認し、今日の予定を立てていく。


「まず今日は俺一人で街の中で聞き込みしてくるよ。今ピュナが行っても警戒されるだけだし、身体がまだ治ってないだろ?もう少し隠れて休んでいてくれ」


「・・・私もいく」


「いや、取り敢えず今は待っててくれ」


何度か同じやり取りを続けなんとか説得する事ができた。

食事と水筒、それと身を守れるように俺の武器を預け、俺は街に向かった。



街に入るとすぐに聞き込み始める。

実行犯以外に裏で手を組んでいる奴が街にいるかもしれないと考え、慎重に相手を選び情報集めしていくことにした。


欲しい情報が集まるのにそれほど時間はかからなかった。

情報提供者は奴隷好きな酔っ払いのおっちゃん。

今朝方、奴隷商と繋がりがある人物が大量の獣人を街に連れてきて、奴隷商人の元に運んで行ったという話だ。


俺はその情報提供者に運ばれた場所を聞き、奴隷を欲しがる一般人を装い調べる事にした。



【ダブレッド商会】街の住人の話じゃ、きな臭い噂が絶えない奴隷専門の商会だとか。

現在商会を取り仕切っているのは王都にある本店で下積みを重ね、数年前このベリル支店を任されたらしい。

開店当初は客足が良かったものの、目新しさや珍しい奴隷が居なかった為に、次第に金持ちも足を運ばなくなり人が寄り付かなくなった。

最近は何処で仕入れたやら数多くの奴隷が揃い始め、貴族や大商人やらが足繁く通い始めたとの事。


まったく住民の情報網には脱帽だな・・・。


俺は身なりを整えダブレット商会に入って行く。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ