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異世界を喰らう自由人  作者: ドム×2
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冒険者になる

朝訪れた市場付近から少し中心地に向かった、広場になっている場所に沢山の屋台が並んでいた。


炒めた野菜を卵で閉じパンに挟んだ物、肉の串焼き、魚の塩焼き、トカゲの丸焼き、幼虫の串焼き・・・。


蒸したり揚げたりの調理方法を知らないのかな?串焼きや炒め物ぐらいしか見かけない。


何かわからない肉の串焼きに惣菜パンと野菜スープを買いベンチに座り食べて見たが何か物足りない感じがした。

これじゃ俺程度の調理知識でも無双できそうだ。



昼食も食べブラブラと街を歩いていると本屋があったので寄り道をしてしまう。


中に入ると大量の本が無造作に置いてあり、どれが何の本か解らない状態だ。

スキル関連の本はないのかな〜っと。

自力で探してみるがそれらしき本が見つからなかったので、カウンター越しにお爺さんが座わっているので声を掛けてみる。


「あの〜スキル関係の本ってありますか?」


「スキルのぉ~ある事にはあるんじゃが・・・」


「ちょっと見てみたいんですが、どこにあります?」


「ん~まだ執筆中なんじゃよ」


「ん?あ、お爺さんが書いてるんですか?」


「ああ、ワシの知る範囲の事だけじゃかのぉ。スキルは秘蔵する者が多くまだまだ世に出ておらんのじゃ」


「なるほど・・・お爺さんの書いたの少し見せてもらえませんか?俺スキルは持ってるんですが何にも知らなくて・・・」


「どんなスキルなんじゃ?」


「え~っと鑑定とマップです」


「ほほ、珍しいスキル持っておるのぉ。それについてはまだ書いとらんが、出来てるとこまで見てみるかのぉ?」


「えっ?いいんですか?」


お爺さんは店の裏に行き執筆中の本を持ってきてくれた。

呼んでみるとスキルは鍛錬で手に入れる事ができる、それと本を読むだけで手に入れられる方法があると書いてあった。

お爺さんはスキル書と呼んでおり、過去にダンジョンで手に入れたスキルを自分で使ってみたとも書いていた。


「お爺さん凄い方だったんですね」


「昔の話じゃ、今じゃ耄碌爺の厄介ものじゃよ。ふぉっふぉっふぉ」


「それにしてもスキルってこんなにあるんですか・・・しかもダンジョンでも手に入るなんて、ちょうど行ってみようかな〜なんて思ってたとこだったんですよ」


「なんじゃそうじゃったのか」


「はい、レベル上げでもしながら歩いて迷宮都市に行こうかと、まだまだ弱いもので」


「歩いていくとかなりの時間費やすぞぃ?」


「伝も有りませんし、そこまで急いでいませんので。のんびり旅でもしながら向かいますよ」


「そうか、無理はせんようにのぉ~」


「本も読ませていただき有難うございました。またこっちに寄ったら顔出しますね」


お爺さんにお礼を言い本屋を後にした。

それにしてもスキル書か、身の安全の為に出発前に欲しいとこだけど高いんだろうな~。

ダンジョン行って自分で見つけるのがいいかもしれないな。

そうと決まれば冒険者にならないと。



冒険者ギルドに着くと見るからに屈強そうな人達が集まっていた。

こいつらも冒険者か、それにしても厳つい奴ばかりだな。


辺りからの視線をビシバシと感じ、絡まれそうな雰囲気ではあったが構わず突っ込む俺。真っ直ぐ進み受付へと並ぶ。


サッと登録してサッと帰れば大丈夫だろ。

自分に言い聞かせながら順番待ちをしていると、声を掛けられてしまった。


「おい、お前見ない顔だな。依頼か?」


「いや、登録だ」


「新入りか、そんななりで勤まるのか?帰って便所汲みでもしてな。ぎゃはは」


「それは無理な話だ」


「あ?忠告は聞いておくもんだぜ?何なら俺が教育してやろうか?」


「間に合ってる」


「あ?」


「次に方どうぞ」


案の定絡まれてしまった。

だがこういうのは最初が肝心だ、弱みを見せると舐められる。

相手を煽らず返答すればいいだけだ。だよね?


「冒険者登録お願いします」


「ではまずこちらの石に触れてください」


「っけ玉無しが」


「問題ないようです、ではこちらの紙に記入お願いします」


受付嬢と話し始めると絡んできた男は文句を言いながら離れて行った。

俺は気にしない様に必要事項を書いていく。


名前、年齢、出身、スキル、魔法。

スキルには何も書かずに魔法欄に火・水・土・光と正直に書き渡した。

受付嬢は記入した紙を確認してから一枚のカードを差し出してきた。


「記入して頂いた紙と、こちらのカードにどこでもいいので血を付けください」


渡されたナイフで指を少し切り、血をつける。

すると紙とカードはわずかに発光しすぐ収まった。


「これで登録は完了になります。続けて冒険者の説明はお聞きしますか?」


「はい。おねがいします」


冒険者ギルドにはGFEDCBASとランクがあり、ギルドに来る依頼や魔物の討伐で上がっていく。

もちろん俺は駆け出しのGランクだ。

依頼には採取・討伐・捕獲・調査・緊急・特殊と様々あるが、ランクによって受けれるのは限られている。

依頼は受付横の掲示板に依頼書がランク事分けられ張られているので、受けたい時は依頼書を持って受付に来てくださいとのことだった。

依頼を達成すると報酬が貰える。

討伐した魔物は、掲示板奥にあるカウンターに持っていけば解体や買取をしてくれるらしい。


「それと明日から1週間、ギルドで初心者向けの訓練があるんですが出てみませんか?」


「出たほうがいいんですか?」


「戦闘訓練はもちろんながら、野営の仕方に薬草の種類なども勉強もします。冒険者の生存率を高める為に実施しているのですがいかがですか?」


「なるほど、じゃ~出てみようかな」


直ぐに迷宮都市に行くつもりだったが、生存率を高める為なら受けておいた方がいいだろう。


「では登録しておきますね。明日の朝ギルドにお越しください」


「有難うございます。あ、それとこの辺で安く泊まれる場所はありませんか?」


「それでしたらギルド内の宿泊施設のご利用はいかがでしょうか。一泊二食付きで銅貨2枚です。少し手狭にはなっておりますが個室になってますよ?」


「おお~安いですね。是非お願いしたいです」


「ではこちらへ。ご案内させていただきます」


俺はお金を払い部屋に案内してもらった。

部屋は三畳分ぐらいしかないが不快感はない。

風呂も付いていないが寝れればいいかと納得し、俺は受付嬢さんにお礼を言い部屋で過ごすことにする。

夜の食事までにまだまだ時間があるので、今日はもう魔法の練習でもする事にした。

また絡まれた時の為にも、魔法の発動はスムーズにできないと不便だからな。



俺がギルド内の宿泊施設を利用することにした時、外には俺が出て来るのを待っていた怪しい者達がいた。

俺は全く気が付かなかったが、他の冒険者は気が付いたものが多く、そのせいでギルド内は不穏な空気で包まれたらしい。


ギルド内が殺気に包まれている間俺はというと、ベッドの上で項垂れていた。

魔法発動の訓練をした為だ。

街を出るまでには戦闘で使えるようにしておきたい。

全魔力を一気に使ったり、魔力が切れるまで発動したままにしてみたりと、休憩しながら方法を変え試していく。

まだ戦闘には使えないが魔力の発動効率は良くなってきている。


目が覚めると今度は光魔法の練習だ。

手帳情報だが、怪我や病気を癒したりするには光属性が適している。

指をナイフで軽く切り付け、傷口を塞ぐイメージで魔力を注いでいく。

何度も何度も試すが夕飯までに取得することはできなかった。


ギルドの食堂で夕飯を食べ、また訓練だ。

寝るギリギリまで魔法の訓練は続き、水魔法と土魔法は大きさを変え飛ばす事が出来るようになった。

拳ほどの大きさの塊のバレット、複数の小石を同時に飛ばすショットガン。

最初は空に向かって撃っていたのだが、どのくらいの威力か知りたくなり窓の外にある木に向かって飛ばしてみた。

水のバレットは木を少し凹ますぐらいだったのだが、土のバレットは木を貫通してしまいかなり焦った。

だがいざというときの為に練習はしておかないと、明日からは狙撃の練習だな。

何度も気絶したことにより魔力も少しだけ増えた。



【 名 前 】 ジュン・ショウノ(20)

【 レベル 】 1

【 体 力 】 50/50

【 魔 力 】 7/49

【 攻 撃 】 69

【 防 御 】 22

【 敏 捷 】 39

【 スキル 】 鑑定 マップ

【 魔 法 】 火 水 土 光

【 特 有 】 コネクトショップ



他のステータスは一切変化ないな・・・。

明日は初心者講習、俺は疲れ残さないよう早めに寝ることにした。



目が覚め朝食を取り受付に行くと、初心者講習の為にやってきたのであろう若い子達がいた。

若いと言っても10代前半の幼さが残る程の若さだ。

見渡していると中年のギルド職員がやってきた。


「今回の初心者講習を担当するレディックだ。参加者はこれより地下訓練所に移動するついてこい」


「「「はい」」」


俺を含めた4人は教官のレディックについていく。

参加者は男の子と女の子が2人と俺だけ、今日から一週間同じ釜の飯を食う仲間になる。

3人は弟や妹にしか見えないけどな・・・。


「ここが訓練所だ。まずはそこに並べ」


「「「はい」」」


レディックに連れられた場所はサッカーコートぐらいの広さだった。

床は土外壁は鉄かな?頑丈そうに見える。


「まずは自己紹介だな。改めてレディックだよろしくな」


「「「「よろしくお願いします」」」」


「右から順に自己紹介してくれ」


「僕はクリフ、15歳だ」


「私の名前はマリナ、16歳です。この子の姉になります」


「アイア、14歳」


「俺はジュン、22歳だ。よろしく」


マリナとアイアは姉妹か、クリフは自信家って印象だな。


「では先に一週間の予定を説明する。まず早朝訓練し、朝食を食べたら座学と魔法の訓練だ。昼食べたら午後は体を徹底的に鍛える。寝る場所もギルドだ。最終日の2日は外に実戦演習に行くから覚えておくように。質問はあるか?ないなら訓練を始めるぞ」


「「「はい」」」


「ではまず魔法の訓練だそこに並べ」


こうして始まった初心者訓練は一日目が終え皆フラフラになりながら宿に向かっていた。

午後の訓練がひどかった、荷物を背負って4時間走り続けたんだぞ!足が痛いよ。

なんでもステータスはレベルに関係なく鍛えれば鍛えるほど伸びていくらしく、レベルにばかり頼って死ぬケースはよくあるのだとか。

その為初心者講習ではまずは体力づくりに取り組ませると言っていた。


宿に戻ってもまだ就寝ではない、俺には魔法の訓練があるんだ!!

実は午前中に行われた魔法の訓練で、それぞれが使える魔法を披露することになったのだが・・・。

直径1mはありそうな火の玉を出したクリフ。

風の魔法で中に浮いていたマリナ。

土塊のゴーレムを作り出したアイア。

実に皆優秀でした。

優秀すぎてすぎて俺が披露する時なんてすごく恥ずかしかったぞ。

っとまぁ~恥かいたので特訓しないといけないんですよね~。

恥かいた後にレディックを含め効率のいい訓練方法や戦闘での魔法の使い方など教わったので反芻しないとな。


ベッドに座わり魔力を練り体内でグルグル循環させていく。

なんでもこうやることで発動する際のロスや属性変換効率が良くなるのだとか。

体全体に魔力を巡らせれば近接戦闘でも役に立つらしいく、使いこなせれば魔力なしで身体強化のスキルを覚えるぞ。っとレディックは教えてくれた。

魔力を使い切り、少し回復したら循環循環!

完全回復したら肉体強化の特訓だ。


いい時間になったら寝ないといけない、明日も同じ内容だって聞いたからだ。

訓練が終わったら、お湯で体を拭きベッドに横になる。

こうして初日は終えるのだった。

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