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おはようございます。
えー私はフィオーレ=メイフィールド。歳は7歳になったはずです。
天井を見上げると立派なクロスが貼ってあります。
ワンルームのマンションの安物クロスでも何でもないですね。
・・・・・・・・・これが噂の異世界転生かぁ。
本当にこんなことあるんですね。お姉さんびっくりです。
いや、もう私お姉さんでもないですね。あはは・・・
そんな感じで私、遠い目で呆然としていますと
「お、お嬢様!?お気づきになられたのですか!」
部屋の入口からメイドさんらしき人が立っていました。
見覚えがあるのですが、記憶が混乱しているのか名前が出てきません。
なので
「ほえ?」
と素っ頓狂な声を上げた私は悪くない。悪くないですって。
「旦那様、奥様!フィオーレお嬢様が目を覚まされました!!」
そうこうしている間にメイドさんがお父様、お母様を呼びましたね。
そこからはてんやわんやの騒ぎでした。
なんと私は、王宮でお父様と国王陛下夫妻、第二王子との謁見中にポテッと倒れたとか。
しかも3日間も高熱にうなされていたらしいです。
そらここまで大騒ぎになりますね、納得です。
ある程度、私の様子を確認すると病み上がりなので早めに休むようにと開放されました。
しばらくは療養との事なので現状の自分を整理しましょう。
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現在の私、フィオーレ=メイフィールド、7歳。
お父様、イヴァン=メイフィールド公爵の娘であり、蝶よ花よとかなり可愛がられて育ちました。
欲しい物は何でも買ってもらっていたみたいです。
でも、フィオーレはほとんど絵本や小説を買ってもらっていました。
髪は薄い青で瞳は濃い青と神秘的な感じです。
前世の私は、大手メーカーで事務職をしていました。
通勤最中に熱中症になり、そのまま死んでしまったと予想します。
駅から会社までそこまで距離はないと油断した結果ですね。
水分補給と休憩は大事です。
お父様、イヴァン=メイフィールドとお母様、アネット=メイフィールド。
現在の私の両親です。
恋愛結婚だそうで、今でも仲睦まじく見ている方が恥ずかしくなる時もあるとか。
私の容姿はお母様から受け継いだようですね。
私が起きた際に驚いていたメイドさん。
名前はエリカさんらしいです。
私が生まれた時期に雇われて、ずっと私の面倒を見てくれた人です。
ある意味、お姉さんみたいな感じですね。
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ここまでが昨日に会った私の周囲の方々です。
で、私が目が覚めてから気になっていた事ですね。
『フィオーレ=メイフィールド』
私の名前の事ですが、名前を把握してからずっと頭を離れないのが
『SWEETLOVERS』
乙女ゲームのタイトルですね。
このゲームなんですが、生前かなりやり込んだんですよね。
リアルイベントに参加したり、設定資料集を購入したりとのめり込んだ記憶があります。
その設定資料集にゲームの舞台であるグランエスト王国の国土に確かにあったんですよ。
『メイフィールド領』
はい、私が今いるこの領地ですね!
このことからもしかして、この世界は『SWEETLOVERS』の世界ではないかと私は思うのです。
さて、『SWEETLOVERS』は、魔法学園に入学した平民のヒロインが王族や騎士団長子息、宮廷魔術師子息などの魅力的な攻略対象と絆を深め、各キャラクターの悩みを解決したりして最終的に生涯のパートナーになるゲームでした。
もちろん、シナリオを盛り上げるための障害である悪役令嬢もいました。
私が初めてハマった乙女ゲームだけあって何週もやりましたね・・・懐かしい思い出です。
でも何故か、タイトルと設定以外何も思い出せないんですよね。
特に女性キャラに関してがすっぽりと抜け落ちている感じがします。
私フィオーレ=メイフィールドの立ち位置がどこなのか分からないというのが中々辛い。
まあ、なんにせよ当面の目標は、この世界の生活に慣れる事とゲームでの立ち位置の把握ですね!
私頑張ります!