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ヒト、拾いました  作者: 鏡湖
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思い出した時

亀更新ですがよろしくお願いします

私、石田 アーシャは

名門石田家に長女として産まれた


祖父は国会議員、叔父は警察のお偉いさんと

代々優秀な人物を輩出してきた石田家にとって

父はイレギュラーだった


新しい事業に手を伸ばし着々と会社を大きくしていく父は

公務員が一番という古い考えにとらわれている

祖父や親戚たちにとって

家の唯一の汚点と思われていた


だがしかし

父が生み出した利益は計り知れないほどになり

祖父たちも認めざるおえなかった


そんな時に産まれた私


祖父にとっては初孫


人が変わったように

デレデレしはじめた祖父のおかげで

最初のいさかいが無かったかのように

石田家は父を受け入れ始めたらしい


そんなことを知らない私は

家族に愛されながらすくすくと育っていった


ある日のことだった

庭で母と一緒に水やりをしていると


ふと、豪邸が立ち並ぶ住宅街が

目にはいった


「凄いなー、お金の無駄だなー」


あれ?


同じ風景を見て

前も同じ感想を抱いた気が…


…………え


このスチル…どこかで…


ん?スチル?


あぁっ、ゲームだ!!


乙女ゲームだっ!


「アーシャ?どうしたの?」


何もない虚空を見つめる

娘に気付いて

母が心配そうに声を掛けてきた


「ううん、なんでもないよ」


はっ


と、我に返って慌てて

笑い返して水やりを再開する


どうしましょう

乙女ゲームなんて…


こういうのって

高熱がでるとか階段から落ちたとかで

思い出すわけじゃないのね…


突然思い出した頭が

パンクしそうだったので

とりあえず、整理してみましょう


まず、私の前世から


はっきりと覚えてはいないけど

母、父、私、妹の四人家族だった


父の仕事は普通のサラリーマン

母は平日パートをやっていて

普通の家庭だった


私は、28歳なのにまだ結婚しないの?

とかよく母に言われていたが

あまり気にしていなかったような気がする


なんで死んだのかとかも覚えていないから

かなり記憶が偏っていることも

否定出来ない


そして本題の乙女ゲームについて


この乙女ゲームは


「お姉ちゃんっ、これ絶対面白いから

やってみて!」


と高校生の妹から

押し付けられたものだった


内容はざっくり言ってしまえば


「主人公が御曹司と愛し合ってゴールイン」


みたいな


最初は

乙女ゲーム?なによそれって思っていたけど

やり進めていくとある意味面白かった

理由は


攻略対象の惚れやすさが異常


と、いうこと


例えば

主人公と挨拶しただけで


「君の優しさに惚れた」


とか口説いてきた


どれだけ挨拶を無視され続けたら

そんなふうになってしまうのかしら


と少々不思議に思ってしまった


だから

妹に感想を聞かれたら


「可哀想だったわ

もう少しどうにかできないのかしら」


って答えた


何故かその後

妹に


「お姉ちゃんなんか知らないっ」


って拗ねられたけど

私は何か言ってはいけないことを

言ってしまったのだろうか


今ではもう聞くことも出来ないけど…


そんな乙女ゲームで

攻略対象の一人が住んでいたのが

私、石田 アーシャが住んでるこの住宅街


だけどそれぐらいしか覚えてなくて

ヒロインが誰か知らないし…


…もしかしたら私、悪役だったり…

あれ、そう考えると心当たりが…


まあいいわ


だって悪いことをしなければ悪役には

ならないし

するつもりもないもの


そしたら

これからはきっと攻略対象に会ったとしても

気づかないし、恨まれもしないでしょう?


乙女ゲームは私には関係ないわよね


うん


そう思って水やりを終わらせた時には

もう、乙女ゲームなんて忘れていた


後々、自分に関係してくるというのに






あぁ、次こそは攻略対象出したい…

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