隣の婚約者sは無自覚に甘い
前作、前々作を見るとわかりやすかも?
登場人物
黒崎 悠人
金持ちのぼんぼん。へたれ に ヤンデレと変態のエキスが混ざっている。一応、腹黒い設定。
白井 詩織 の婚約者。
白井 詩織
名家のお嬢。素はクーデレとツンデレを足して2で割って、天然を足すと出来上がる。猫被り。だから学校では敬語で優雅なお嬢様。たまに猫被り失敗するけど気にしない。
黒崎 悠人の婚約者。
伊崎 雄平
二人の古くからの友人。珍しく、昼飯に誘われて喜んでいた。婚約者はいない、というか随時募集中。今回の主人公??
「嫌いだ」
「うん、知ってる」
それが、睦言にしか聞こえないのはきっと気のせい。
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伊崎 雄平の通う学校には学校公認の超有名カップルが居る。
資産家 黒崎家
由緒正しき 白井家
財力と権力という最強ドリームタッグを実現する為の政略結婚をする為の婚約をかの家のご令嬢とご令息がしているという話はこの学校では当たり前のように誰もが知っている話だ。
確かに政略結婚とか婚約とか古典的だとかは思うけれど、由緒正しい家とか権力持ってる家とかの子息令嬢が通うこの学校には偶にある話だ。
でも、そんなことは雄平にとってどうでもいい。
「ねえ、悠人さん 」
「うん、どうしたの、詩織 」
「それ、くださいな 」
少し、はにかんだようにいう少女に少年は大袈裟に一礼して彼女の弁当箱に卵焼きを入れる。
「はいはい、仰せのままに、お姫様 」
少女は、嬉しそうに、でもふくれっ面になる。
今は、 お昼休み。
違うクラスのはずなのに黒崎家の坊ちゃんはわざわざこのクラスにやって来て、婚約者殿と食事をする。
まあ、偶に友人である雄平と昼飯を取ったりもするけど頻度は低い。
「むぐっ.... 」
唐突に、突っ込まれた肉巻き(白井家料理人謹製)を御曹司はモグモグと咀嚼した。
食べ終わると、彼はへらりと笑う。
「ありがとう。やっぱ、おいしいねぇ 」
「......、別に、借りを返しただけ 」
ぷいっと、横を向いた頬が赤くなってたのはきっと気のせいだろうとおもう。うん、きっとそうだ。
甘い
甘すぎる
毎日、毎日、毎日、この調子でこの婚約者共が無自覚か自覚しているかは定かではないが、いちゃついついている。
珍しく、3人で食べようと誘われた雄平はそのど真ん中でひたすらお握りを貪る。
「...... (誰か....助けてくれ ) 」
助けを求めるかのように周りを見渡せば、甘さに耐えてクラスで飯を食い続ける猛者共は一様に目を逸らした。
哀れ、雄平は生贄となったらしい。
「 やっぱり、嫌いです 」
「うん、 知ってる 」
死んだ魚のような目で、窓の外を眺める。
嗚呼、今日も空は青い。
今日のお握りはいつもよりちょっとしょっぱかったのはきっと気のせい。
はたから見ても、甘々。
自分たちにとってはちょい甘。
でも、恋人じゃない、婚約者同士。
だって、先に進めない、進みたくない。
はた迷惑な二人に一言。
リア充爆発しろ
以上。