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王様、出陣する

アランは自室に走って戻った。


鏡の中のイプは血だらけだった。


イプの後ろに10歳くらいの子供がいる。

服装からしておそらくマレイン王子だろう。


イプが戦っているのは、プロメタジン王国の勇者、ゴオウ将軍だ。


イプは光の剣アルシオンを持って、勇敢に戦っている。


ゴオウ将軍の両手剣を弾ききれず、イプの左足を切り裂いた。


たまらずイプは苦しがる。


アラン

「イプ!!!!!!


メトプレン

「やはりゴオウは弟についたか----」


いつの間にかメトプレンも来ていた。


ディート

「なんてことだ---!


ディートもいる。

アランはもう自分が死にそうな顔をしている。


アラン

「何か---何かないのか-----くそっ


メトプレン

「できる!魔導の力を強める。声は届くはず。


アラン

「ディート!!!アドバイスだ!

ゴオウに勝つアドバイスだ!


ディート

「イプ----いいか!


イプが驚いたような顔になった。


ディート

「焦るな。よく見るんだ。あいつが大振りするまでギリギリでよけ続けろ。絶対に大振りする瞬間がある。


アラン

「イプならできる。


その瞬間イプの瞳は金色に輝いたように見えた。


ゴオウの攻撃はスキなくつづく。


イプはギリギリの所で転がってよけたり、飛び上がってよけたりした。


ついに両手剣がわずかだが流れた。


イプはゴオウの背後に回り、アルシオンで鎧ごと貫いた。


ゴオウは血を吐いて倒れる。


3人のホッとした息が聞こえた。


メトプレン

「イプ!

ラビリントスに入れ!

助かる道はそれしかない。


イプは不思議そうだったがうなづいた。


メトプレン

「ラビリントスに入って、左手を壁につけて歩け。

そうしたら小川に出る。

そのまま川にそって下流まで歩けば、外に出られる。


イプは足を引きづりながら王子の手を引き、ラビリントスに入って行った。


鏡は何も映さなくなった。


アラン

「どうなったんだ?


メトプレン

「ラビリントスの壁は魔導を遮断する。


アラン

「ラビリントスの川はどこにつながっている?


メトプレン

「プロメタジンの城を抜けた先の鍾乳洞があるところだ。


アラン

「プロメタジンの国王軍はどこにいるんだ?


メトプレン

「国境で王女を迎えるために待機しているはずだが


アラン

「国王軍と合流して、王都に向かう。

出陣する。


ディート

「イプのためですか!?


アラン

「そうだ!!


ヒュウーとメトプレンが口笛を吹いた。


アランはエルヴィア軍を率いて、プロメタジンに向かった。

アランにとって初の戦だった。


アランの横にはディートと何故かメトプレンがついている。


アラン

「メトプレン、魔導でイプの所まで行けないのか?


メトプレン

「闇の扉は使えてせいぜい100メートルだ。

俺でもね。


アラン

「大したことないな--


メトプレン

「変態王め!


途中でプロメタジン国王軍と合流、王都を目指す。


3日ほど馬を走らせ、ついに王都に到着した。


門の前で国王の弟の軍隊と戦闘になった。


アランは全軍を指揮し、見事に打ち破った。


アランは親衛隊を連れて、鍾乳洞の方に向かった。


王都の方はプロメタジン国王軍に任せている。


メトプレンは先行して、イプを探している。


すぐに鍾乳洞から出ている川が見つかった。


そばにメトプレンがいる。


アラン

「メトプレン、イプはまだ見つからないのか?


メトプレン

「イプの気配はするが、妙に嫌な予感がする。


メトプレンがハッとして鍾乳洞の方を見た。


鍾乳洞をイプが歩いてくる。


手にはオークの首を持っている。


身体中血だらけで目は何も見ていないようだった。


アラン

「イプ!


ディート

「イプ、大丈夫か!?


メトプレン

「まずい、離れろ。


イプ

「うわああああああああああ


イプは首を投げ捨てると、すごい勢いで近づきディートにアルシオンで切りつけた。


ディートはかろうじて剣で受けたが、押されている。


ディート

「どうしたんだ!?

俺がわからないのか!?


カキン------


ディート

「傷ついているのになんて力だ---!

俺が押されるなんて----


イプは叫びながら狂ったように剣を振り下ろす。


アラン

「ダメだ!イプ!」


イプの動きが止まった。


アランはイプを強く抱きしめて言った。


「もう、大丈夫だよ。

イプ、大丈夫。僕がいる。


イプの手から剣が離れた。


イプはアランの胸にしがみついて大声で泣き出した。


「王子が-----。王子あああああ---。


アランは優しくイプの頭を撫でている。


銀髪は血がこびりついて固まってしまっている。



プロメタジンの王都ではクーデターを起こした国王の弟は捉えられて、首をはねられた。


しかし、プロメタジン国王はすでに殺されていた。

王妃は牢に監禁されていたが命に別条はなかった。


マレイン王子はラビリントスで行方不明。

王妃は悲しんだ。


イプの体の状態は相当ひどかった。

アランが応急処置をしたが熱が下がらず、イプの意識は戻らない。


イプを馬車の屋根付きの荷台に寝かせて、アランは看病しながら国に帰ることになった。

化膿した傷口に特製の薬を塗る。

細菌を殺す薬も水も口移しで飲ませた。


エルヴィアに着いたころにはやっと高熱が下がり、容態も安定してきた。


アランは仕事は全て、コリンとクレオに任せてイプのそばを離れなかった。


各国の要人も国に帰り、メトプレンもイミダゾールの王女について帰国しなければならなかった。


アランは夜も寝ずに看病した。


王都に戻って3日ほど経って、やっとイプは目を覚ました。


イプが目を開けるやいなや、アランは見つからないように部屋を出た。


アラン

「ディート、頼む---


ディート

「なんでですか!


アラン

「恥ずかしい、無理だ。


ディート

「は?


ディートはイプを抱きしめてやった。


扉から覗いていたアランは泣いている。


(本当に本当に良かった。

僕のイプが無事に帰ってきた。)


つづく














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