2/25
王様、ストーカーを辞める
こじんまりした船の甲板から、アランは鏡を海に落とした。
イプ
「捨てちゃうの?
アラン
「もう必要ないからな。
いつでも本物のそばにいられるし---
声も聞くことができる---
触れることだって---
アランはイプの長い銀髪をかきあげて、大事そうに頬をさわった。
二人はクッションに寝転がった。
夜空には満天の星。
イプ
「これからどこへ行きたい?
アラン
「エルフの住む森に行ってみたいな。
世界の果てと言われる大きな滝も見てみたい。
こんなひ弱な僕じゃ無理かな--。はは
イプ
「大丈夫---。僕がいるよ。
アラン
「-------。ああ。そうだな
アランはイプに優しくキスをした。
つづく