王様、お見合いパーティを開く その1
ついにエルヴィア王国の王妃を決める、盛大なお見合いパーティが開かれる。
国中がお祭りモードだ!
各国の王女の絵姿が町中で売られたり、アラン王の姿が刻印された焼き菓子が売られたりした。
国中はもとより、各地から観光客が訪れ、宿屋は満室状態、酒屋やレストランはうれしい悲鳴をあげた。
どの国の王女と結婚するか、賭け事も行われている。
城では賓客を迎えるための準備で大忙しだった。
何しろ各国の王女とその付き添いの伯爵やら、将軍やらが一同にやってくるのだ。
アランは謁見の間での対応に追われた。
各国の王女達は色々な贈り物を持って、謁見の間で挨拶を交わした。
プロメタジン王国、イプが修行に行っている国からはプロメタジン王の妹、ノスカピン王女がやってきた。
金髪のウェーブがかかった髪を高く結いあげ、大人っぽい身体にぴったりとした青いドレスを着ている。
口元のホクロがとてもセクシーだ。
アランよりも3つ年上だ。
砂漠の国カサンスラノール王国からは国王の第一王女、フェニレフリン王女がやってきた。
赤毛のちじれた髪を腰までたらし、花の形の金の髪飾りをあちこちにつけている。
日に焼けた顔、きりりとした眉は精悍なイメージをうける。
北の大国サルファ王国からは、第一王女オイゲノールがやってきた。
12歳の少女だが、白銀に近い長い金髪、淡い青い瞳、透き通るような白い肌、とても美しい。
神々の末裔エルフの血を引くという王族だ。
最後にやってきたのは、魔道の国イミダゾールの王女テルビナフィンだった。
まっすぐな黒髪を足までたらし、額には銀のティアラをつけている。瞳は赤く燃えるようだ。
黒い露出の少ないドレスにはレースがふんだんに使われている。
そしてやはり後ろには憎きメトプレンが控えている。
アランは知らないふりをした。
その夜、いつものように鏡を覗いてイプの様子を見ていると、部屋の隅から声が聞こえた。
「なるほどね----魔法がかけられた鏡か。
アラン
「来ると思っていた。
メトプレン
「イプと私はお前に引き離された。
ああーイプに会いたいな---
アラン
「イプに手を出すな
メトプレン
「だがイプが私を選ぶかもしれない。眺めてるだけのお前より
アラン
「どうしてイプにこだわる?
メトプレン
「お前には見えないんだな、イプのオーラは暖かい。悪しきものは全て惹かれるだろうな。
イプの光に。
私はずいぶん長く生きていると心が死んでいくんだ。だがイプと出会って心が動かされた。会うたびに生まれてくる。イプは私に必要なんだ。
アランはため息をついた。
アラン
「僕も幼い頃イプに救われたんだ。
死んでいた心が生き返った。
お前と同じだ。
だからイプが誰かを愛したら、それでいい。
イプが悲しむことはしたくない。
だが、お前はダメだ!
髪の毛一本触るんじゃあない!
メトプレン
「なんか言ってることおかしいけど、それが本音だろうよ。ははは
面白い王様だな!
イミダゾールの高級果実酒を持ってきた。
一緒に飲もう。
アラン
「何故、私がお前なんかと--。
メトプレン
「まあ、そういうなよ。
エルヴィアを作った、イワンとは友人だったんだ。
この城も懐かしいなあ。
メトプレンは どこからか出した杯に果実酒を注いだ。
柑橘系の爽やかな香りが広がった。
メトプレン
「この大陸は暗黒に落ちた神の末裔ジヒドロに支配されていたが、俺たちエルフが海の向こうからやってきて戦ったんだ。
その時、人間も一緒に戦った。
今ではめったに見ることはないオークやゴブリンの大軍勢が5王国に攻め込み、大きな戦になった。
イワンは大剣でオークどもをなぎ払い、俺は後方から火柱を出して奴らを燃やした。」
アランは椅子に座り、じっと聴き始めた。
メトプレンは杯を傾ける。
イワンも傾けて杯をカチンと合わせると、
果実酒を飲んだ。
イワン
「美味いな--。
メトプレン
「だろ?
プロメタジンは弓矢部隊、カサンスラノールは曲刀の戦士達、イミダゾールは魔導師部隊で戦い、
最後はエルフの王子が神々の剣アルシオンでジヒドロを貫いた。
----
話は長いこと続いた。
つづく




