1/1
彼女の独白
唯一の肉親となった祖父より、親しくしてくれた街の人とたちより、ずっと傍にいてくれた使用人たちより、私が何より好きだったのは、貴方の笑った顔でした。
声も掛けられない私だったから、遠くから見えた貴方のその笑顔だけで良かったのです。しっかり前を見据える、濃い青色の双眸。風に揺らめく金糸のような髪。背筋の延びた堂々とした佇まい。貴方の一挙手一投足に、どれだけ心ときめいたか。
貴方を遠くから見つめていられるだけで。
私はそれでよかったのですよ、陛下。
唯一の肉親となった祖父より、親しくしてくれた街の人とたちより、ずっと傍にいてくれた使用人たちより、私が何より好きだったのは、貴方の笑った顔でした。
声も掛けられない私だったから、遠くから見えた貴方のその笑顔だけで良かったのです。しっかり前を見据える、濃い青色の双眸。風に揺らめく金糸のような髪。背筋の延びた堂々とした佇まい。貴方の一挙手一投足に、どれだけ心ときめいたか。
貴方を遠くから見つめていられるだけで。
私はそれでよかったのですよ、陛下。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。