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泣き出したドラ姫ちゃん。

侍女さんもさめざめ泣いている。

『隷輪を着けねばならぬほどの罪をそなたは犯したのじゃ。』

はぁ…そうですか。

その涙は憐れみの涙と言うわけね。

どう見ても首輪だな。まぁ…チョーカーじゃないわな。

うん、仕様はワンコ首輪。

呑気にそんなことを考えてると…。

ん?な、なんか、熱いっ!

胸の内側からの熱さに戸惑ってる間もなく、

『我が主に隷輪を着けるとは、許さぬ!!』

語気を強めた、エルアが突然姿を表した。

びっくり…した。

『我が名は、エルア。黒の魔法遣いが半身、暁さまの配下の精霊である。』

エ、エルアさん?は、配下って、そんなこと思ってないですけど?

何だか怖いわよ?どないした?

ほらっ、ドラ姫ちゃんも侍女さんもびっくりよ?

『黒の魔法遣いの半身?まさかっ!!』

ドラ姫ちゃんが焦っている。

ん?阪神?半身…。

『神々が先の混乱を鎮めた黒の魔法遣いの功績を称え、彼の者の願いを1つ叶えたことは、誰しもが知っていること。だが、その内容を知る者は少ない、』

エルア?言葉が…どしたの?…人格?変わってない?

『其の願いとは、この世の者なら誰しもがもつ、運命の半身を持つことだ。彼の魔法遣いは、余りに巨大な魔力により半身を持つことが出来なかった。魔法遣いである前に、人だと言うのに。』

エルア?貴方、黒の魔法遣いのことは私に語ってくれなかったじゃない?どしたの?

『半身がいない。つまり、平和な世の中になった今、黒の魔法遣いだけが孤独となった。彼は望んだ、自らの力を糧にしてでも半身が欲しいと、愛し愛される唯一無二が欲しいのだと。彼の願いを神々は叶えた。しかし、彼の半身は遥か遠く違う世界にいた。だから、黒の魔法遣いは半身がこの世界で生きられるよう自らの力を注ぎ連れてきた。その者をそなた達は、害した。あまつさえ隷輪まで、この者の臣下となったのは、精霊神王が息子である。』

ん?聞き捨てならない言葉があったような。

『新しき精霊をこの世に誕生させたこの者を害する竜の谷のやり方は気にくわない。滅びを待つがよい!!』

エルアが言いたいことだけ言って消えた……。

な、何なの?

私のジェントル精霊エルアは!!何処っ!!

『暁さま、どうされました?』

エルアは再び姿を現した。

いつもの穏やかな顔に戻った?

しんっとした広い部屋。

『えっ、えーと、どうしたんですか?暁さま?』

なんか笑顔が怖いような…。

エルアが言ってた隷輪ってこの首輪、これがエルアの逆鱗に触れたんだと思うから、外していいかしら?

『暁さま…?』

先程とは違う調子のエルアの声。

「エルア?元に戻った?」

控え目でどこか恥じらうのは私のジェントルエルアだわ。

「もう、びっくりしたよ。」

『丁度父上と話をしていたどころだったので。父上が私の体を通して何やら怒ってましたね。』

クスクス笑ってるよ、この子。

「話?」

『はい、私の主に度重なる酷い仕打ちがされたことに、私が耐えられなくて。無意識に父上を呼び出していたようで。どのような対策をすればと話し合っている時に、暁さまに隷輪がはめられたみたいで、瞬間、父上が切れました…。』

ふとドラ姫ちゃんを見た、あれ?真っ青だけど?

『突然切れても驚くと思ったのでしょう、最初は私の名を上げてましたが、興奮しているうちに自分を出しちゃってましたね。』

照れているエルアと真っ青なドラ姫ちゃん。

とりあえず…この首輪取っておくか。邪魔だしね。

何気なく外した首輪を床に置く。

ん?

ドラ姫ちゃんと侍女さんが震えている。

『な、何故、は、外せるのじゃ!!』



続く…。

久々です。3年ぶりだそうです。更新をと言ってくださる奇特な方がいらっしゃって…。アップしてみました。

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