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この状況をどう説明すればいいのだろう。
んーと。
目の前には涙ながらに私に触れてくるさっきまでとまるで態度の違う姫ドラゴン。
人払いをしているのか、広い部屋には私とミザリア姫と彼女が信頼しているのだろう侍女っぽい女の子がいる。
その女の子も涙目だ。
「えーと・・・。」
何が起こっているのかと言えば、部屋に通されて、その真ん中に引きずり出された。
私を牢から出して生贄よろしく捨て置いた男は、フンっと不敵な笑みを浮かべて、自慢気に私を連れてきたことを告げた。
男の声が反響する。
部屋には姫とお付きの人達が数人いて、皆から冷たい視線を感じた。
姫さんは、床に身体を押さえつけられるようにされている私を見下ろした。
頭を床につけられているけどかろうじて姫さんの顔は見えていた。
その姫さんが手に持っているモノ。
それを姫さんが私に装着すると周囲に居たドラゴン達から蔑みと憐れみと恐怖的な悲鳴や息が漏れた。
何?この首輪されたら、何か起こるの?
キョトンとしていたら、姫ドラゴンは人払いをした。
これからは、自分だけの楽しみの時間だと言って。
で、人払いが終わった後、姫ドラゴンは、よろよろと床に崩れ落ち、私に視線を合わせるとオヨヨヨヨと泣き始めた。
何?何が起こってるの?
『すまぬ・・・。』
漏れた言葉は謝罪。
な、何が?
首をかしげる。
首輪をされて数分が経ったけど、今のところ何も変わってないけど?
何のプレイだっ!って憤りは感じるけどね。
私の中にいるエルアは・・・あれ?フルフルと震えている。
どうした?
泣いてるの?
えっ!
怒ってる?
ん?この首輪したら、死んじゃう?
うそでー・・・。
ちょっと、ホンマ、何が起こっとるんっ!
目の前にいる美少女と少しはなれたところに居る侍女に泣かれてしまって、エルアは震えているし、誰か答えてくれっ!
ワタワタ慌てだした私に気付いたのか姫ドラゴンが漸く涙を拭いて顔を上げた。
つづく