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―3日目。

今日も今日とて口に合わない食事をもそもそ食べては、動くことで痛む身体にムチ打ちながら脱出方法とクロ、紅の救出方法を考えている。


「ねえ、エルア・・・りうって、黒の魔法使い?」

この問いは、王との謁見後から繰り返されている言葉。

まさかねと思いながら、嫌だけど尋ねてみた。

エルアの返事はない。

だってさ、私がこの世界にくる切欠はりうでしょ?

夢だと思っていたこの世界が現実なんだと理解してしまった(不本意)今、私が探し出し、首を絞め、元の世界に戻せと言う相手はりうだ。

夢の中で、私とりうに何かがあって、私はりうと別れ別れに・・・。

あー・・・ちゃうな・・・。

りうの所業に腹立って、したいようにするって彼から離れたな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(沈黙)。

アレがいけなかったのか・・・。

あの時、私は・・・。

思い出そうとして頭を痛める。

んー思い出せない。

だいたいさ、逢いに行くからとか言ってなかったか?

何だ、この現状。

・・・腹が立ってきた。

「エルア、答えないなら、金輪際会話しないよ。」

『・・・イヤです。』

よし。


エルアは、やっと声を聞かせてくれた。

「エルア、今まで何してたの?」

『力を蓄えてました。』

「力?」

『ここが、何もない虚無の世界でない限り、私はあらゆるものから力を得ることが出来ます。暁様が力を封じられている今、私が力を発揮せねばと力を貯めておりました。』

私の力ね~。

エルアとは、声にしなくても会話は出来る。

けど、何か言葉を口から発してないと喋ることを忘れてしまいそうで、今は、独り言スタイルでエルアと喋っている。

ぼそぼそって感じだから、見張り人には、バレテないはず。

「私の力が黒の魔法使いとやらのモノだって本当?」

エルアがため息を吐く。

『正確に言えばそうではありません。まったく龍王は何を言っているのか。こちらに来られ、私を覚醒させた当初は、そうだったと言って過言ではありません。あの方は、暁様をこの世界に順応させるために特殊な魔法陣を暁様の中に施したのですから。』

思わず自分を見る。

『その魔法陣もあと少しで暁様が本来もっていらした魔力と融合して、暁様の身も精神もこちら仕様に変わるところです。』

何か、イヤだな。

「ドラゴンの王様は、何で・・・、」

人の気配を察し、黙った。


『罪人よ、ミザリアさまがお呼びだ、出ろ。』

とうとう、姫ドラゴンに向き合う時が来たってことか。

どっちにしろ、いい気はしなかった。


つづく

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